内容説明
仕事はある、恋人もいる。でも、物足りない。同じ報われない時代を生きているのに、隣のアイツらは満ちて見える。どうして僕だけ、うまくいかない――。そのむなしさを、カッコ悪さを、自分のせいだと認められるか? 就職、結婚、再会、嫉妬、劣等感。東京に生きる6人の男女の転換点を鋭く描く連作短編集。あがけ若者、あがけ私。ひれ伏せ時代!
目次
新橋ランナウェイ
北新宿ジュンジョウハ
成城ウィキペディエンヌ
十条セカンドライフ
二子玉ニューワールド
碑文谷フラワーチャイルド
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
66
そんなに懊悩するほどの事かとも思うが、それが若さって事なのか。2017/04/16
えりこんぐ
65
ゆるく繋がる連作短編集。途中でこんがらがるので相関図がほしいくらい。就職、転職、結婚、恋愛etc..27歳は迷う事だらけ。その時は焦るけど、過ぎてみれば「まだ」27歳! 焦る事ないって自然に思えるのに。とりあえず、自分から別れを切り出しときながら粘るような男は嫌だ。2018/09/19
TAKA
46
男としてはちょっと生々しかったかなあ。男が情けなかったけども男ってこんなもんなんですよ。見栄はりたいし虚勢はりたいし劣等感が強い生き物なんです。繋がりがごちゃごちゃしてページを元に戻す時もあるけど面白かったです。もう一度読み返せばもっと面白く感じるかな。虚しさも必要だと思う。2019/12/30
Yunemo
39
著者のこの感性に惹かれます。多分に、ずっと昔に過ぎ去った27歳という年齢、なんだか妙な焦燥感に駆られていたんでしょう。すんなりと共感できるところがあるのって、どこかにまだ燻る気持ちが残っているからかも。時代背景も環境も違ってはいても、若者の奥底の一部分って、いつの時代でも生きるための共通項があるんだな、と素朴に感心。あまりに自分を飾りすぎ、気持ちを読むのに四苦八苦、年代に限らず。でも年を経るごとに焦りの気持ちは薄れてます。精一杯足掻いて生きることって、結果としてかっこいい、これを理解するのは後々になって。2016/01/23
パンダプー
27
面白かった。この作者男性ですよね。 飛鳥井 千砂さんの作品みたいな雰囲気の連作中編集でした。今度、就職氷河期に就職活動がうまくいかなかった人を国が支援するらしいけど、この作品の人たちはまさに、その世代なのかな? みなもがいて頑張っている感じが、スーッとしみました。2019/08/19