内容説明
恋は地獄、恋は人を殺す。「恋したい」なんて、もう言えない。女が本当に知りたい「性」と「生」。--藤田香織(書評家)風俗嬢に堕ちた教え子と潔癖な教師が逢瀬を重ね、“魔所”といわれる古寺を訪れる「鳴神」、再会した幼馴染みとのセックスに籠絡され、夫殺しに荷担する不倫男の末路「恋塚」。性と愛の地獄に嵌まり、時には生死を顧みぬ男女の業を、団鬼六賞作家が生々しくも艶やかに描く傑作六編。
「恋したい」なんて、もう言えない。恋は地獄、恋は人を殺す。
女が本当に知りたい「性」と「生」。--藤田香織(書評家)
醜悪で滑稽な恋をする者たちを嗤う連中の腹の中は、恋に狂う人間たちへの羨望で満ちている。恋で死ぬ―これほど我儘な幸福を味わえることはないのだ。--花房観音
風俗嬢に堕ちた教え子と潔癖な教師が逢瀬を重ね、京都の“魔所”といわれる古寺を訪れる「鳴神」、再会した幼馴染みとのセックスに籠絡され、夫殺しに荷担する不倫男の末路を描く「恋塚」。性と愛の地獄に嵌まり、時には生死を顧みぬ男女の業を、団鬼六賞作家が生々しくも艶やかに描く傑作六編。
目次
鳴神
恋塚
菊花
枕本
蛇女
懸想文
(順不同)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
152
花房観音は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の真骨頂、女子目線の官能恋愛短編集、オススメは赤い口紅が艶めかしい『鳴神』とAVで夫婦円満の『枕本』です。たかがS●X、されどS●X。【読メエロ部】2018/05/30
おしゃべりメガネ
121
官能小説というジャンルに押し込めてはいけない花房さんの短編6編です。本作も期待を裏切らない「性」を扱う作品を綴ってくれていますが、決してただ単に性描写だけをゴリ押しするのではなく、そこに秘める人間の「生」への思い、執着もあわせて綴られています。中には背筋も凍るようなホラーテイストな話もあり、改めて花房さんの力量のスゴさを知るコトができます。ダントツに怖かったのは『蛇女』で、なぜかほっこりできたのは『枕本』です。女性が話す京都弁もセクシーさを増して、ステキな演出になっているのかなと。クセになる花房作品です。2023/01/29
じいじ
114
これは好いですね。読了23作の花房作品のベスト3に入ります。六つの短篇、どれもいけます。花房観音しか描けない官能美を存分に味わえます。登場人物のキャラに共感できない部分、ゲイの話など苦手な箇所もあるが、そんなことは枝葉末節なので問題外。とても丁寧な性描写は、男性作家の官能小説のように露骨でなく、卑猥さを感じさせないのは流石です。表題作【恋塚】は、男目線で描いた、毒をキツメに効かせた作品です。切切と語られる男の本性は、かなり的を射ています。解説の藤田香織曰く「女が本当に知りたい「性」と「生」」の物語です。2018/04/19
じいじ
92
花房小説は、ひと通り読みつくしてしまったので再読した。本作は6短篇集。4年半前に初読みした時には気にならなかったが、再読では性愛描写がとても生生しく感じたのだ。最後に予期しなかったどんでん返しを食らう、表題作の【恋塚】が、私は好きだ。花房作品では珍しい「男」を主人公にした、幼なじみの二人が再会して深い仲に…。女は言う「ヒマな夫とは愛なんてない。ただの惰性、でも夫は別れてくれない…」と。2篇を残して、もう腹いっぱいになってしまった。残りはいつかに…。2021/10/27
まさきち
76
声の表現が素晴らしい6編を集めたエロ短編集。「菊花」や「枕本」のように元気になる(?)ものから、「恋塚」や「蛇女」のように女性の怖さを思い知らされ、ゾクッとするものまで、幅広く楽しめた一冊でした 2019/07/10