内容説明
結婚しない人は恋をすればいい。水曜日の食事だけを男に与えられ、自分の恋に思いを馳せる女。冴えない男だったのに、いつの間にか心惹かれていることに気づく女。不倫と割り切る寂しさ、恋を恋する喜び。男と女の綾なす恋模様を、円熟味あふれる筆致で描く、大人のための12編の小説集。
目次
おとなが恋して
萩の月
蟹の宿
その灯り
彼と彼女の過去
眠る妻
吸い殻の物語
さくら、さくら
週末まで
恋物語
トロピカル・フルーツ
別れてはみたけれど
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kana
21
25年前に文庫化された作品の新装版。短編集で読みやすかったし、25年前の作品だけどあまり違和感なく読めた。大人の恋愛の話は林真理子さんの作品が好き。2021/04/27
もぺっと
14
1996年発行の文庫本の新装版なので、携帯電話も一般的でなかったひと昔前の雰囲気。どの話も恋愛絡みの男女の機微が事細かに描かれていて、林さんらしい。短い話でも、それぞれぐいっと引きつけられるのはさすが。色々とバリエーションに富んでいて楽しめた。2021/11/20
Ciel
13
帯の「彼の、日曜日が欲しい」不倫しているわけではないがグっとくるので手に取った本。彼の、好きな人の全てが欲しいと思ってしまうのは、強欲たけど、よくわかる。結婚できないなら「恋を」と最初は思うけどやっぱりどんどん欲が出てきて難しくなる。まだまだ子供なのかな?と思う部分もあるが、これが自然なのかもしれない。2021/05/20
かもめ
10
バブル期の不倫物語で不快感はない。高価な美味しい物が各編に登場する。2022/01/09
はね
8
25年も前に書かれたらしいが、古さを感じなかった。文章がうまいとあらためて思った。2021/08/04