講談社現代新書<br> 生物はなぜ死ぬのか

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講談社現代新書
生物はなぜ死ぬのか

  • 著者名:小林武彦【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 講談社(2021/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065232170

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内容説明

【死生観が一変する〈現代人のための生物学入門〉!】
生命の死には、重要な意味がある。
遺伝子に組み込まれた「死のプログラム」とは?



なぜ、私たちは“死ななければならない”のでしょうか?

年を重ねるにつれて体力は少しずつ衰え、肉体や心が徐々に変化していきます。
やむを得ないことだとわかっていても、老化は死へ一歩ずつ近づいているサインであり、私たちにとって「死」は、絶対的な恐るべきものとして存在しています。
しかし、生物学の視点から見ると、すべての生き物、つまり私たち人間が死ぬことにも「重要な意味」があるのです。
その意味とはいったい何なのか――「死」に意味があるならば、老化に抗うことは自然の摂理に反する冒涜となるのでしょうか。
そして、人類が生み出した“死なないAI”と“死ぬべき人類”は、これからどのように付き合っていくべきなのでしょうか。


■主な内容
・恐竜が絶滅してくれたおかげで、哺乳類の時代が訪れた
・宇宙人から見た「地球の素晴らしさ」とは
・地球上で最も進化した生物は昆虫である
・遺伝物質DNAとRNAの絶妙な関係
・「死」も、進化が作った仕組みである
・ヒトだけが死を恐れる理由
・“若返る”ベニクラゲの不思議
・超長寿のハダカデバネズミは、なぜがんにならないか
・ヒトの老化スピードが遅くなっている理由とは?
・「若返り薬」の実現性
・少なめの食事で長生きできる理由
・老化細胞は“毒”をばらまく
・テロメアの長さと老化は関係ない?
・生物学的に見ると、子供が親よりも「優秀」なワケ
・ヒトが生きる目的は、子孫を残すことだけではない
・“死なないAI”を生み出してしまったヒトの未来
・有限の命を持つからこそ、「生きる価値」を共有できる
・私たちは、次の世代のために死ななければならない
――すべての生き物は「死ぬため」に生まれてくる。

第1章 そもそも生物はなぜ誕生したのか
第2章 そもそも生物はなぜ絶滅するのか
第3章 そもそも生物はどのように死ぬのか
第4章 そもそもヒトはどのように死ぬのか
第5章 そもそも生物はなぜ死ぬのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

226
生物はいつか死ぬことを前提に設計されていた。生物学の色々な成果や面白い小話をまとめた。宇宙関連の話題や最近のAIにも話が及ぶ。この手の本を何冊も読んでる人は、またあの話かと思う話題も少なくないが、そんな人も幾つかは初めて聞く話だろう。小5の娘に読ませたら、とても読みやすくて面白かったと言ってくれた。2021/09/21

trazom

210
本書を読んで、ジョブズ氏の"Death is very likely the single best invention of life"という言葉を思い出した。著者は、生き物が死ぬのは「多様性」のためだという。遺伝子の変化によって多様な「試作品」を生み出し、死は生命の連続性を維持する原動力となる。しかも、通常は細胞老化するのに、生殖細胞だけはテロメアが短くならない。だから「進化」が可能になったんだというのが凄い。特に目新しい情報はないが、生物・社会の両面から、死を前向きに捉えたユニークな一冊だと思う。2021/08/08

まーくん

180
なぜ生物は死なねばならないのか?すぐ思いつくのは生き物が溢れて食料や生活空間が不足すること。しかし、それは結果論で、一般的な「死ななければならない理由」ではなく、本当の理由は「多様性」にあると述べています。生物は激しく変化する環境の中で存在し続けられる「もの」として誕生し進化してきた。その生き残りの仕組みは「変化と選択」。そのためには古い「もの」は消え、新たな膨大な「試作品」の中から、新しい環境に適した「もの」だけが選択されていく。根源的な疑問「そもそもなぜ生き物は死ぬのか?」について生物学的に考える。2022/09/28

のっち♬

179
生物の誕生から変化(変異)と選択(絶滅あるいは死)の繰り返しによる多様性の形成・進化を概観し「生命の連続性を維持する原動力」として「死」の必然性を示唆する。アプローチは専ら進化論や分子生物学で、素人には難解、通過者には厚みに欠ける中途半端な難易度。頁数の関係だろうが、アナログ的AI全否定論や"多様性"に持ち込んで"利他"に訴える社会派コミットは既視感しかないので専門的解説こそ充実させるべき。例えば食物連鎖の観点からヒトの老化研究にマウスを採用する非妥当性や遺伝子工学の最新知見は読ませどころだと思うのだが。2023/11/23

修一朗

163
’自転車の部品をプールの底に沈めておいてかき混ぜたら完成品ができた’みたいなことが地球の歴史上1回だけ起きたのが生命誕生なのだという。ハダカデバネズミやベニクラゲのような例外はあれど多様性を確保し種の存続の可能性を高めるために死ぬように進化したのが生物なのだ。まさに生物は’わけあって絶滅してきました’なのだった。小林先生は人間という種はあと100年持続できないと言う。面白かったけども既存知識のかき集め感があってちょっと薄味。第5章がメイン。4章以降の専門のオリジナルなところをもっと知りたかった。2022/03/03

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