ちくまプリマー新書<br> 勉強する気はなぜ起こらないのか

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ちくまプリマー新書
勉強する気はなぜ起こらないのか

  • 著者名:外山美樹【著者】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2021/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480683977

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内容説明

怠けたい、相手と比べてしまう、無気力だ……。そうした気持ちを少し変えるためには、心理学の考え方が役に立つ。「やる気」のメカニズムから自分をみつめなおそう。

目次

はじめに
第一章 やる気は内からわくのか、外からくるのか
やる気からイメージされるもの
なぜ「掃除するルンバ」にやる気があると思わないのか
あなたはなぜ勉強するのかを考えよう
やる気をめぐる内と外
やる気は外からの力でしか生まれないという誤解
パズルを楽しむサルたち
内からのやる気が理解されるまで
内と外、どちらのほうがやる気は続くのか
外からのやる気はそんなに悪いの?
さまざまなタイプの「外からのやる気」
第二章 なぜ誘惑に負けてしまうのか
すぐそこにいる敵
我慢強さが人生を左右する
子どもはマシュマロを我慢できるのか
我慢強い子どもは成功する?
スタンフォードという特殊な実験環境
その結果は違ったものに
誘惑の対処の上手さが成功への鍵を握る
やる気を自分でコントロールするコツ
やる気をコントロールするさまざまな方法
あなたのやる気を高める方法
第三章 目標設定で差をつけよう
あなたは日々の目標がありますか?
目標設定がやる気につながる理由
目標を立ててみる
最上位目標はあなたの人生において大切なもの
七つに分類できる最上位目標
目標をより具体的なものにしていくには
挑戦的であり、実現可能なレベルを探す
最上位目標を常に意識する
他者との比較ではない目標を立てる
目標はいくらでも調整できる
時にはあきらめることも大事
第四章 やる気を左右する周囲の存在
友だちがやる気に影響する
鶏口となるも牛後となるなかれ
やる気を左右する有能感
なぜ「井の中の蛙効果」が生じるのか?
「井の中の蛙効果」が及ぼす影響
「井の中の蛙効果」は悪いことばかりじゃない
意図的な比較なら問題ない
「井の中の蛙効果」からいえること
否定的な有能感を形成しないために
有能感を高めること以外にも
第五章 ネガティブでも大丈夫?
心配しすぎはやる気がないの?
ポジティブ思考が善でネガティブ思考は悪?
悲観的に考えるとその通りになる?
悪いほうに考えることで成功している人もいる
余計なプレッシャーから解放される
失敗する状況をイメージし、対処する
防衛的悲観主義者は真の悲観主義者とは違う
防衛的悲観主義者はポジティブに考えるとうまくいかない
その人に合ったやる気の高め方
第六章 やる気がなくなったとき
三つのM
無気力になった犬たち
無気力は学習される?
無気力状態におちいりやすい者とそうでない者
説明スタイルとは
無気力への分かれ道
物事は考え方次第
おわりに
読書案内

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

76
勉強する気になる・ならない・・・を、一つの例として、平易な言葉で心理学を踏まえて、深いことが書かれている。内発的動機・外発的動機、目標、阻害要因・環境。意欲が無くなった時の考え方など、興味が尽きない。自分自身のことを振り返りながら、読み進めた。いずれにしても。100%ということはないし、それ自体も変わりうるものだということを頭の片隅で置いておくだけでも、かなり違うと思う。2022/03/25

venturingbeyond

33
教育心理学の知見を平易にまとめた学習理論の入門書。繰り返されるのは、自己の認知スタイルや動機づけの型、事象の説明スタイルなどをきちんと自覚することが出発点という主張。当たり前だが、「ポジティヴ信仰」のように、対象となる人のパーソナリティの多様性を無視したアプローチが有効なはずがない。あと教育職としては、児童・生徒に自己効力観を定着させる働きかけはマストだと再確認。学習的無力感をもたらさないよう、スモールステップ、エラーに対する受容的姿勢の形成援助を意識して、教科指導・学級経営に取り組まねば。2021/05/05

チャー

19
やる気発生の仕組みや効果的に発現させるための考え方が記された本。専門的な内容が学生向けに嚙み砕いて説明されておりわかりやすい。やる気をコントロールする方法は、ご褒美、環境を変える、負担を抑える、友人に頼る、対象に価値を見出す等があり、状況に応じてそれぞれを使い分けることは有効だと感じた。優れた環境がやる気を引き上げる大きな要因であると考えていたが、場合によっては逆に作用することも。周りと比較してしまうことは仕方ないが、有能感のレベルも重要。無気力が学習されるということもあるという点は気を付けたいところ。2022/04/22

クロメバル

16
マシュマロ実験は対象となった子供たちに偏りがあった、というのは改めて納得。防衛的悲観主義者がポジティブ思考をすると、結果を出せないという実験はおもしろい。2021/05/04

すみ子

12
「外から与えられる動機」(外発的動機づけ)では周りからの承認や報酬が得られなくなると途端に行動しなくなるのに対し、「内からわき出るやる気(内発的動機づけ)では「やりたいから、やる」といった行動につながる。自分を思い起こせば、思春期のある時期から内発的な動機で動くことが減り、周りに認めてもらいたいからやることばかりが自分の行動の大半を占めていったように思う。自分の行動が一体どちらの動機から動いているのか確認してみると自分自身を理解するのに役に立つだろう。そして一番ハッとしたのがセリグマンの犬の記述。→2022/04/17

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