ちくま新書<br> ダイオウイカvs.マッコウクジラ ――図説・深海の怪物たち

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ちくま新書
ダイオウイカvs.マッコウクジラ ――図説・深海の怪物たち

  • 著者名:北村雄一【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2021/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480073860

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内容説明

深海には、われわれの想像を超える生物が蠢いている。まったく光が届かない世界で、捕食者から逃れ、パートナーを見つけるために特化した視覚・聴覚・嗅覚、不思議な器官。海の男たちから「シーサーペント」とおそれられた巨大ウミヘビや日本の漁船が引きあげたニューネッシーの正体とは。文字通りメスと一体化してしまうビワアンコウのオス、スケスケ頭のデメニギス、生きた化石シーラカンス、ダイオウグソクムシの無個性という進化など、深海のモンスターたちの異様な姿と習性を、迫力の描きおろしイラストで紹介する。

目次

まえがき
第一章 怪物と呼ばれた深海生物
1 ダイオウイカ──〝巨大海ヘビ〟はマッコウクジラのディナー
怪物シーサーペント
ダイダロス・モンスター伝説
マッコウクジラの大好物
ダイオウイカのサイズ
ダイオウイカの生存戦略
「視力」対「聴力」
2 ラブカ──ヘビの顔をした深海ザメ
驚愕する魚類学者
古代ザメ「クラドセラケ」との同異点
サメの顎
歯の進化
3 ミツクリザメ──古代の巨大肉食魚の正統な後継者
生前の雄姿
学名命名の基準
古代ザメ「スカパノリンクス」の生態は?
4 ウバザメ、メガマウス、ニューネッシー──人は見たいものしか見えない
ニューネッシー熱狂の陰で
ニューネッシーのヴィジュアル分析
ニューネッシーの正体は一目瞭然
米海軍船にからまった巨大オタマジャクシ
気づかれなかった新種の巨大魚
魚竜に見間違えられたウバザメ
メガマウスの生態の謎
巨大な口の秘密
5 リュウグウノツカイ──古代から想像力を刺激する容姿
たてがみを持つヘビ
海の妖怪が消える理由
謎の生態のわかっていること
ちぎれた尻尾のゆくえ
6 レプトケファルス幼生──巨大ウナギ伝説の起源
このレプトケファルス幼生は誰の子?
幼生の意外な変態
巨大幼生の3タイプ
低栄養食に特化
アベコベの変態
第二章 想像を絶する深海の生態
7 ビワアンコウ──極端に小さいオスの役割
ビワアンコウに寄生する袋のようなもの
オスが小さいことの意義
8 デメニギス──透明な頭と巨大目玉の超能力
頭が透明の異形な姿
深海を泳ぐ映像で判明した事実
ギミックに満ちた魅力的な目玉
9 ダイオウグソクムシ──無個性という特殊能力
生物として汎用性が高いデザイン
進化も退化もまだない生活
生きたままのサメの内臓を食い荒らす
第三章 生きた化石は深海にいる
10 オウムガイ──貝がイカに進化する過程
貝とイカの共通点
世界中で知られる美しい貝殻
オウムガイの三日天下
オウムガイと魚、海の覇権争い
強敵ゴマモンガラ
運命の分岐点
オウムガイの謎
ネクトカリス騒動の悲しい裏話
11 コウモリダコ──独自のニッチで1億6600万年
地獄の吸血イカ伝説
低酸素環境下ののんびり生活
コウモリダコの食事
イカとタコの祖先
タコの系譜
コウモリダコが絶滅を免れた理由
12 シーラカンス──ダーウィン進化論の神髄
直訳すると空っぽのトゲ太郎
世界中でぞくぞく発見
進化の原則は自然選択
利用される間違い進化論
政治と科学
姿を変えない生物が進化理論の証拠
生存競争と自然淘汰とは
進化系シーラカンスの末路
生物淘汰の基準

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

115
タイトルのダイオウイカやマッコウクジラの他にメガマウス、チョウチンアンコウ、リュウグウノツカイ。デメニギス、オウムガイやラブカ、ミツクリザメといった深海鮫他、深海生物ファンにはたまらない。ただ残念なのは古来より多く目撃されたオオウミヘビの正体はダイオウイカやリュウグウノツカイだと生物学的に断定をくだしていること。個人的にはオオウミヘビやメガマウスよりでかいウバザメよりもでかい鮫がいてほしいし実際はまだまだ知らないだけでそんなのがきっといると思っている。広大な海の中は人の知らないことだらけだと思う。図書館本2021/05/06

きみたけ

58
著者はサイエンスライター兼イラストレーターの北村雄一氏。生物進化から天体まで幅広い分野で活躍。今回は深海で暮らす生物たちの特異な生態をシュールな挿し絵とともに解説。ビワアンコウのオスは巨大なメスと一体化して生きていて、精子を供給するためだけの体になっているそうで、改めてヒトで良かったなーと思いました😅その他にも、巨大なダイオウイカやスケスケ頭のデメニギス、生きた化石シーラカンス、ダイオウグソクムシなども紹介しています。 タコとイカの進化の過程による特徴の違いは納得できました。2021/11/04

ホークス

54
2021年刊。著者はライター兼イラストレーター。イラストを使った説明が上手い。深海は宇宙なみに過酷だから生物もエイリアンぽい。デメニギスは透明なキャノピー状の頭に緑色の眼が上向きに収まる奇天烈な魚。クダクラゲが捕まえたプランクトンを横取りする食性への適応らしい。書名のダイオウイカも昔は怪物扱いだった。どこまで本当でなぜ誤解されるかまで話が丁寧。鰻などの幼体であるレプトケファルスに1m超のデカい奴が居て、どんな巨大魚になるの?という謎解きも面白い。終章の抽象的な話だけは酔っぱらいのクダまきみたいで余計。2022/04/25

鷺@みんさー

36
シーラカンスを直訳すると、「からっぽトゲ太郎」。なんだそのとっとこハム太郎みたいな名前wかわいいぞ!2022/06/03

Tomomi Yazaki

28
はじめにで著者が語ったのは、本書の内容は題名に反してオオウミヘビの解説だそうです。なぬ?そしてその正体はダイオウイカ。それは、当時の目撃された絵と著者の想像するリアルな挿絵を交えて解説されている。まあ一つの可能性としては納得。その他にも特殊な魚類の話がとても面白い。チョウチンアンコウのくだりでは、雄が雌に同化するという常識が覆される。雄は交尾すると千切れ落ちて死ぬのだそうです。こうした、常識に楔を打つような発見があるから読書はやめられないのです。この種の本は理屈抜きで本当に楽しい。読んで損はありません。2022/03/19

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