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内容説明
日本郵政グループは、2021年に郵便事業の創業から150年を迎えた。従業員40万人を超える巨大組織は「腐敗の構造」にはまって抜け出せずにいる。近年では、かんぽ保険の不正販売、ゆうちょ銀行の不正引き出しと投信販売不正、NHKへの報道弾圧、総務次官の情報漏洩と癒着など、数多の不祥事が発覚した。一連の事象の底流にあるのは、究極の「事なかれ主義」――。朝日新聞経済部のエース記者が、巨大グループの実態にメスを入れる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
29
郵便というのは、不便な非経済的な場所にも荷物や手紙をしっかり届けるという公的な要素が多分に強く、住民ひとりひとりのプライベートな状況も配達物や日常のふれあいから知りえてしまう。政治との絡みも強い。そこに保険勧誘が絡まれば、絶大な効果を発揮するが、民営化でもいけるという間違った判断のもと、黒字を達成するために不正が拡大していった。国営化と保険事業との分化を図る必要を感じる。郵政民営化を開始する時点では、成功するかどうかはわからなかったかもしれないが、失敗だった以上、非民営化を急がないといけないと思う。2021/08/09
あんさん
7
「日本型組織の〜」とあったので、その部分を期待したが、正直物足りなかった。最先端社員とトップ層の部分の描写はよく分かるが、過酷なノルマが何故押し付けられ、中間管理職はパワハラで部下を追い込むまでになるのか、社内のボトムアップは機能してないのか、等は読み取れなかった。民営化で株価維持、経営者の保身、異論を許さぬトップダウンという単純な図式だけではないと思うのだが。2021/08/13
Y Sー51
4
郵政は民営化して10年以上経つが、役職の大半は公務員時代の人間だし、経営幹部の人間は官僚が多い。 役所体質の企業は「今まで通りで変わりたくない」と考えている人が多く、自分の保身を最優先で考えている限りまた不祥事がおきると思う。2021/04/23
TK39
4
なかなかハードに切り込んだルポ。政官が入り組み、さらに現場も特定郵便局と普通局とが混在する難しい組織であることは間違いない。地方を支える重要なインフラでもあり、郵貯もかんぽも切り捨てられない。 デジタル化などの環境変化もあるが、どのように変わっていくのか?2021/04/19
あしお
3
しばらく読書から遠ざかっていた。 その理由は、この本がつまらなくて読むのに半年かかっていたせいでもある。 もちろん、書かれている内容はしっかりとした取材に裏付けされたものであろうし、組織のあり方を考えるのにとても必要なことが示唆されているのだろう。 単純に好みに合わなかったというだけのことなので、この本を低評価するつもりはないです。 2022/09/05