内容説明
日本を代表するロックバンドTHE ALFEEの高見澤俊彦による初小説は、
恋愛と音楽に溢れる70年代青春小説!
東京の平凡な大学生・雅彦は同級生と組んだバンドでデビューを目指す一方、学生運動に染まる響子やグラマーな加奈子、憧れの美佐子先輩との恋愛模様に翻弄される。
順風満帆に見えた大学生活だが、思いがけない悲劇でデビューか友情かの決断を迫られることに。さらにある歴史的事件によって恋愛にも陰りが……。
何者かになりたくて足掻く青年たちを、原宿のレオンや赤坂のビブロスといった70年代東京カルチャーをふんだんに盛り込んで描き出す。
音楽業界を知り尽くした著者ならではの視点が光るスピンオフ短編も収録。
さらに、文庫用に書下ろしエッセイも収録。
※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
64
私はジ・アルフィーのファンではないが、物語の起伏のつけ方のテクニックや時代性がよく出ているところには好感を持って読んだ。当時の音楽に熱狂した読者ならもっと楽しめたのだろう。舞台となる場所も昔はあんな感じだったのかと想像できて不思議な懐かしさを感じた。2021/04/27
Inzaghico (Etsuko Oshita)
10
前期高齢者が書いたとは思えない「エモい」小説だ。1970年代に高校時代に出会い、そのままエスカレーター式に付属大学に上がった若者4人がバンドを組み、メンバーの病など紆余曲折を経てプロとしてデビューするまでの物語が縦糸で、主人公の雅彦の恋愛の話が横糸だ。1970年代に避けて通れない連合赤軍も主人公や登場人物に影響を落とす要素として、幾度となく登場する。当時の若者はこの影響を免れなかったのがわかる。そのほか、1970年代の懐かしい風俗などが多々登場する。個人的には赤羽線がツボだった。2021/04/13
まあ
7
いつの時代も、アイデンはティティのことを考えた。2021/07/10
uran
6
アルフィーは歌よりも3人のおしゃべりが大好きなんです。青春時代真っ只中お話を面白く読んだ。警察官の親を持つから真面目なんだとの文章があったけど、未成年での飲酒・喫煙はOK。そんな時代だったね。2021/08/07
蝶まめ
3
最初こそ何か暗くて重くてイライラするかんじがしたけど、どんどん引き込まれていた。時代設定が自分の生まれる前なので出来事など背景もよく分からない部分があったけど、高見沢さん自身が経験した学生時代~デビュー、その後の苦悩の心境を反映してるんだろうなと思う部分が多かった。2024/07/07