内容説明
大正時代には霊術・精神療法と呼ばれる治療法が流行し、最盛期の施術者は三万人ともいわれる。暗示、気合、お手当、霊動などによる奇跡的な治病だけなく、精神力の効果を示すための刃渡りのような見世物的危険術や、透視やテレパシー、念力のような心霊現象が彼らのレパートリーであったが、最終的には健康法、家庭療法、新宗教へと流れ込んで姿を消していった。
本書は、さまざまな領域に姿を現す民間精神療法の技法と思想の系譜をひも解き、歴史研究の基礎を構築することを目指す。 明治以降のグローバリズムの波を受けて流入したエネルギー概念や心身技法に、日本の伝統的宗教技法が混じりあって生み出された民間精神療法は、〈呪術の近代化〉という点で西洋の近代オカルティズムに相当し、〈催眠術の呪術化〉という点ではアメリカのニューソート運動と並行する。しかも、それらはグローバルオカルティズムという輪の中につながっていたのである。その全体像をさまざまな視点から横断的に描く、初の本格的論集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
19
「第三章ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンー別名、ヨギ・ラマチャラカ」(フィリップ・デスリプ,佐藤清子訳,79-108)。三章が抜群に面白い。現代のヨガ文化に今でも大きな影響を与え、日本の様々な精神療法に影響を与えているラマチャラカ。そのラマチャラカはインド人ではなくアメリカ人の筆名!ラマチャラカの影響濃いアメリカのニューソートを率いたアーネスト・ホームズの宗教科学派は谷口雅春(成長の家創始者)、心身統一法の創始者中村天風に影響を与える。天外は松下幸之助など日本のトップビジネスマンに大きな影響を与えた。2019/12/25
さえきかずひこ
17
日本の民間精神療法というミクロな視点から、20世紀全体のマクロな文化状況の一側面が照らし出されてくる研究者たちの熱意溢れる論文集。精神療法は、宗教的・民俗的な病気治しが近代化の過程で支配的となった科学的言説に影響を受けたため、理論的な側面もあるが、根源的には実利を追求することが有機的に連関した各論から見えてくる。「端的に言えば、近代は呪術を脱したのではなく、呪術も近代化したのであり、その顕著な現象が民間精神療法であったのではないか」(P.386)という仮説にもとづき構成されているため非常に読みやすかった。2019/12/08
小鈴
15
面白かった。特に「第三章ウィリアム・ウォーカー・アトキンソンー別名、ヨギ・ラマチャラカ」と三部還流するレイキの3本の論文が。日本生まれの「レイキ」はラマチャラカなどの影響も受けて産み出され、太平洋戦争中はハワイの日系人がキリスト寄りにカスタマイズしながら残り80年代日本へ逆輸入される。まさにトランス・パシフィックによる変容だが、太平洋戦争を挟んでいるんですよ。驚いた。さて、霊術は二つの源泉からはじまる。一つは維新後、廃仏毀釈、祈祷禁止、西洋医学の普及で修験道の遺産、もう一つは催眠術。近代の産物なんです。2019/12/25
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
2
霊気などの歴史や系譜について、諸々専門的だった。 明治維新の政治に利用されたり、その後の政府によって取り締まられたりしながらも細々と生き延びてきたのだなあ…。 高い伝授料金を設定してそれを払おうと思う人だけに伝授する道場があれば、お金を払えばそれっきり自分で病気を治そうとしなくなるので無料にしている治療院もあり(無料で何度も施術者に頼っていては悪いなあと患者が患者自身を追い込むことで治る気にさせるからと)、ひとの考え方は様々。2020/01/25
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