中公新書<br> ショパン・コンクール 最高峰の舞台を読み解く

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中公新書
ショパン・コンクール 最高峰の舞台を読み解く

  • ISBN:9784121023957

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内容説明

ポーランドのワルシャワで五年に一度開催されるショパン・コンクール。一九二七年の創設以来、紆余曲折を経ながらも多くのスターを生み出してきた。ピアニストをめざす若者の憧れの舞台であり、その結果は人生を大きく左右する。本書では、その歴史を俯瞰しつつ、二〇一五年大会の模様を現地からレポート。客観的な審査基準がない芸術をどう評価するか、日本人優勝者は現れるのか。コンクールを通して音楽界の未来を占う。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

163
青柳いづみこさんのショパン・コンクールの内幕物のような感じの本です。一気に読んでしまいました。私は「ピアノの森」が好きで数回読み直していますが、やはり絶対的な物差しがないのでかなり審査員によっては評価が分かれるということを2015年のショパン・コンクールを題材にとって一つのケース・スタディになっています。こんなに実名を並べていいのかと思うくらいです。ので読んでいて飽きが来ませんでした。2016/12/19

藤枝梅安

93
膨大な資料とインタビューを基に、ショパンコンクールの歴史、審査方法の変遷、審査員の葛藤、出場者たちの苦労など、盛りだくさんに詰め込んだ1冊。人名が多く、記述の重複もあり、「行ったり来たり」という感想を持ちながら読み進めた。2015年のコンクールの経過を中心にしてあるのだから、出場者と審査員を表にまとめておいてくれると、ストレスなく読むことができたかもしれない。印象に残ったのは、あとがき。ピアニストとして教育者として、音楽を志す若者の成長を見守り、助けたいという熱い思いが伝わってきた。2017/01/30

パフちゃん@かのん変更

68
知人のお嬢さんが2015年のショパンコンクールに出場されたので読んでみた。優勝や入賞以前に出場するだけですごく大変なんだ。2010年の優勝者は実は書類とDVDの選考段階で落ちていてそのことを非難されて追加されたのだそうですがなんと優勝。DVDは業者に頼んでホールで撮ったものとホームビデオで撮ったものでは雲泥の差。審査の基準が審査員によって変わるし、技術と芸術性、楽譜に忠実かロマンティックか。要は高いお金を払っても聴きたいと思う魅力があればいいんじゃないかな。知人のお嬢さんのことは褒めてあったが進めなかった2017/02/23

Book & Travel

55
娘の影響でピアノ曲をよく聴くようになったのもあって、以前から読みたかった本。著者が現地で取材した前回2015年のショパン・コンクールの模様を中心に、コンクールの歴史や現在の問題点などが綴られる。素人の自分には用語や技術的な表現は難しかったが、コンクールの白熱する展開や出場者達の経歴、演奏評を興味深く読んだ。演奏された曲の動画を見ながら読んだので、知らなかった曲を知れたのも収穫。著者が警鐘する審査の公平性については、芸術を審査する難しさはあっても、この舞台に懸ける出場者の思いを考えるとやりきれないなあ。2018/01/31

kei302

54
ピアニストで研究者、文筆家いずみこ先生の2015年大会のレポート。ここまで細部に渡る聴き方ができるなんて! その上、楽しみながら鑑賞したり、出場者の演奏の好ポイントもきっちり押さえられていたりで、読んでいてとても参考になった。浜松国際ピアノコンのファイナル協奏曲指揮の井上道義、あかんやん💢(いずみこ先生が一番書きたかったのはこれですね)2023/01/05

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