NHK出版新書<br> 名著ではじめる哲学入門

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紙書籍版価格 ¥1,045
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NHK出版新書
名著ではじめる哲学入門

  • 著者名:萱野稔人
  • 価格 ¥1,001(本体¥910)
  • NHK出版(2021/03発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140886335

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内容説明

なぜ私たちは考えることが苦手なのか? 日本人の思考力を磨く実践的哲学のススメ!

「国家とは何か」「権力とは何か」「政治とは何か」と問われて、明確に答えられる人がどれだけいるでしょうか。本書は、西洋哲学の名著を題材に、日本人にとって苦手な「概念によって物事を把握する力」をつけて、「哲学の実践」のスキルアップを図ろうするものです。
一般に「哲学を勉強する」というと、著名な哲学者の本を読んで丸ごと理解しなければならないと思う人が多いかもしれません。しかし、それは哲学研究者のすることで、哲学の本質ではないと著者はいいます。では「哲学」とは何なのか? 著者によれば、まさしく「〇〇とは何か」という問いそのものが極めて哲学的な問いであり、その問いに対して、あるいは物事をとらえるために、概念的に考えたり、概念を練り上げたり、新たな概念を創出したりする知的営みこそが「哲学」だと語ります。
 では、概念的に考えるとはどういうことか? スピノザは、「〇〇とは何か」という問いについて、その問いの答えは、「対象となっているものの〈起成原因〉を表していなくてはならない」(『スピノザ往復書簡集』)と考えました。たとえば、地面に置いてあるボールを子どもが蹴ったとき、ボールが転がったのは「子どもが蹴ったから」とふつうは考えますが、それだけではありません。もし重い岩だったら蹴っても転がりません。ボールが転がったのは、ボールが丸くて軽く弾力性があるからで、また人間がそのように製造したからであり、ゴムという物質が地球上に存在したからであり、さらには硬い地表と重力が作用したからでもあります。これらが「ボールとは何か」の起成原因であり、物事を概念的に考えるということです。
 本書では、このように近代の哲学者たちの名著を、「哲学」「人間」「国家」「政治」「権力」「存在」など、私たちが社会生活を営むうえで根幹となるものにグルーピングして、各項目3~5作品、1作品につき4、5ページのテキスト+イラストで構成します。
著者は「哲学の効用とは、頭をよくしてくれること、そして物事をより明晰に理解させてくれることにある」と断言します。自分の住む世界とはいったい何なのだろうか――。名著を味わいながら、世界のしくみを新たな視点でとらえる哲学の実践的素養が身につく、至れり尽くせりの哲学入門書です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

88
哲学者やその著作を羅列して紹介する本が多いが、本書は、人間/道徳/存在/国家/暴力/正義/歴史など15のテーマに分けて名著を引用する構成である。公知の内容ばかりで目新しさはないが、その中でも、通説にあえて挑戦したような著者の鋭いコメントが印象に残る。スピノザは反国家的でないと擁護し、カール・シュミットの暴力の考え方を理解し、ルナンの「国民とは何か」に対するナショナリズム解釈の誤りを指摘する。特に、アーレントがアイヒマン裁判を正当化したことを厳しく批判するのは、萱野先生らしい。難しくないから気楽に読める。2021/07/23

mitu

44
十年ぶりの萱野先生2冊目。津田塾での講義の成果なのでしょう、いつまで経っても入門者の読者を助けます。本文がとても読み易いので悩み不要。年代に沿った羅列的な哲学史ではなく、15のテーマに沿って、適材適所。スピノザ、ヘーゲル、ニーチェ、アリストテレス、アーレント、レヴィ=ストロース、デカルト、レヴィナス、カント、ハイデガー、ドゥールーズ、ガタリ、ルソー、ヴェーバー、ホッブス、ロック、ヒューム、初耳のゲルナー/ルナン/ウォルツァー、ベンヤミン、ネグリ&ハート、フーコー、アリストテレス、⇒2021/09/23

ころこ

39
本書はのべ50位の古典と呼ばれる哲学書の引用と著者の本文から出来ています。翻訳文が差し込まれて難しい議論が展開されると、前提の知識やそこで覚えなければならない用語に手が出し辛そうに感じますが、意外なのは著者の本文が読み易いことです。確かに引用文は読み辛いと思いますが、引用が難しかったら飛ばしてしまいましょう。著者の文章はそれだけで十分理解できるようになっています。哲学書ごとに数ページずつに分かれていますので、それでもよく分からない論点だったら次へ飛ばせば良いのです。読んでいて随所に出てくるのは、著者のリベ2020/12/25

フク

14
図書館。ハイデガーの項で「存在」がゲシュタルト崩壊するなど、本文中の引用箇所だけで名著はお腹いっぱい。なのでもうしばらく門の外をうろうろします。2021/02/15

きおくあたま

7
15のテーマを設定し、哲学者の名著を題材に哲学的な考察とは何かをわかりやすく伝えようとする意欲的な一冊。著者の考えも随所に盛り込まれており、それもまた参考になる。「国家」、「ナショナリズム」、「資本主義」の各章が特に読みごたえがあった。また、引用著作の中ではベッカーリアの「犯罪と刑罰」における死刑廃止の考え方がたいへん印象に残った。2021/01/10

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