子どものいない校庭 - 都市戦略にゆらぐ学校空間

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子どものいない校庭 - 都市戦略にゆらぐ学校空間

  • 著者名:高久聡司
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2021/04発売)
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  • ISBN:9784326602612

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内容説明

都市空間、環境問題、地域コミュニティ、子どもをめぐる問題の解決のために期待される「校庭芝生化」。それは本当に「子どものため」なのか? 本書は、明治期以降の資料を用いて、「子どものため」の空間が「子ども不在」のままに形づくられてきた歴史を論証する。きわめて身近である空間から現代社会の課題を照らし出す。

目次

はしがき

序章 校庭の風景を問い直す
  1 「当たり前」の校庭に潜む問題
  2 「校庭芝生化」へのアプローチとその限界
  3 校庭史研究の視点とその問題
  4 校庭の歴史社会学的探求へ向けて
  5 本書の課題と構成

第一章 校庭の設置と身体の教育論──一九〇〇年代前後の社会
  1 近代的学校および校庭の輸入
  2 校庭の設置──「遊び空間」から「教育空間」へ
  3 都市空間の「整備」と校庭
  4 空間の「整備」と子どもの身体

第二章 「子どものため」という論理の齟齬──戦後から一九七〇年代
  1 量を問うこと──教育と生活環境の論理の共振
  2 質を問うこと──子どもの怪我と「校害」問題
  3 「校庭芝生化」の芽生え

第三章 近代化の反省と〈校庭〉の「改善」──一九七〇年代
  1 議論の傾向
  2 議論の沸騰と政策展開
  3 争点としての都市環境・子ども
  4 衰退と帰結──《不都合性》の否定
  5 一九七〇年代の芝生空間へのまなざしと「遊び空間」

第四章 自在運動する「効果語り」──一九九〇年代以降の展開
  1 「校庭芝生化」の語られ方──拡大と停滞
  2 拡散する論争──経済性という問題の回避
  3 校庭へのまなざしの対立と調停

第五章 都市空間の「創出」と「子ども」の希薄化──二〇〇〇年代以降
  1 政策のなかの「校庭芝生化」
  2 「校庭芝生化」の捉えがたさ
  3 「子ども」の不在と「効果語り」の危うさ

終章 子どものいない校庭
  1 「子ども不在」の政治
  2 結論と課題

あとがき
参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

peisaku2014

0
非常に興味深く読んだ。 要点―①我々が自明視する堅い校庭は,子どもの身体の衛生と大人の生活環境の衛生という2つの価値の交錯点で形成された,②次第に子どもの身体のためには土のほうがいいと「子どものため」という論理の矛盾が顕在化し,その調停として校庭芝生化が起案された,③90年代には都市環境の改善そして創造の視点から芝生化の効果が主張された。 面白かったのは,「子どものため」という論理は社会的欲望と符合する限りで主題化され,曖昧・多様な子どもの声を統一させようとする大人の欲望として表出されるという視点である。2014/01/26

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