社会の音響学 - ルーマン派システム論から法現象を見る

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社会の音響学 - ルーマン派システム論から法現象を見る

  • 著者名:毛利康俊
  • 価格 ¥4,620(本体¥4,200)
  • 勁草書房(2021/04発売)
  • ポイント 42pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326602629

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内容説明

法による秩序はどのように成り立っているのか、他の社会領域とどのように関わるのか、また社会全体のなかでどのような位置を占めるのか、そして人びとの生活とどのように関わるのか。法現象の分析方法、生命倫理・日常世界・政治システムとの関連といった各論から全体社会レベルでの機能分析まで。ルーマンの探究のその先へ。

目次

はしがき

第1章 法現象分析の方法
 1 ルーマン派システム論の基本枠組み
 2 社会の音響学
 3 「法秩序論」の再構成

第2章 システムの同定──ポスト福祉国家の法現象
 1 ドイツ法化論の興亡と存在意義
 2 ドイツ法化論の失われた古層
 3 フランクフルト‐ブレーメン系の登場と拡散
 4 ふりだしに戻る
 5 法化論は死なず

第3章 社会システムと身体と意識──生命倫理の現場
 1 生命倫理と法政策研究
 2 生命倫理的問題事象を構成する社会システム
 3 意識システムと社会システム
 4 医療
 5 親密圏
 6 法と政治
 7 身体性と時間性の法政策学に向けて

第4章 日常世界と法システム──社会のなかの法的議論
 1 はじめに
 2 法と日常世界──ルーマン解釈上の諸論点
 3 法的議論へのシステム論的要求
 4 社会理論的理性批判──ポストモダンと「社会学的啓蒙」
 5 議論領域の拡大に向けて

第5章 法システムと政治システム──リスク社会における技術評価
 1 はじめに
 2 リスクアナリシスとリスクマネージメント──事実の次元に重点を置いたアプローチ
 3 政治過程におけるリスク論議の位置と形態──社会性の次元に重点を置いたアプローチ
 4 政策過程における法システムと政治システムの交錯──時間性の次元を中心にした統合的アプローチ
 5 おわりに

第6章 全体社会レベルでの機能分析
 1 全体社会の理論──成立したか? 有用か?
 2 機能分化テーゼの帰結
 3 法理論と機能分析──進化論的ポジティビズム
 4 より深く、より広い記述に向けて──自己言及・作動・観察・意味論


あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぷほは

2
晩年ルーマン理論の整理から、メディア概念の重要性を指摘する点は(大黒2006)と同様だが、その全体像を「動的双相論」と呼ぶ、コミュニケーションとシステムの重合を「波動」として表現する独自の立場を打ち出している。また個々の分析に中心/周縁や包摂/排除図式を強調する点は(三上2010)や(三上2013)で論じられる他の社会学理論との接点も見えてくる興味深い分析で、それらが各章でリスクや生命倫理を主題とした法理論と共に紹介されている。間違いなく、近年のルーマン派社会理論の応用の中で最も濃密な成果の一つだろう。2017/08/15

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