内容説明
「マン・オブ・サイエンス」とは、特定領域の科学研究を生業とするサイエンティストを嫌悪し、新しい知識の形としての「サイエンス」に積極的に関与しつつも、それを職業とはしなかった人びとである。本書は孫文を「マン・オブ・サイエンス」の一人とみなし、彼の思想の変遷を科学観のなかにたどっていく。
目次
目次
「現代中国地域研究叢書」刊行にあたって[天児慧]
はじめに
緒論 孫文思想の見取り図
第1節 多面体としての孫文像
第2節 「科学の時代」と孫文
第3節 上海孫中山故居蔵書
第1章 孫文の科学観──その原点と到達点
第1節 香港西医書院の創設
第2節 西医書院の「サイエンス」と孫文
第3節 「生元」説にみる孫文の科学観
第4節 進化論と細胞の知性をめぐって
第5節 「生元」説のその後
小結
第2章 孫文と医学──『紅十字会救傷第一法』の翻訳と出版
第1節 『紅十字会救傷第一法』出版の経緯
第2節 原著者オズボーン
第3節 『紅十字会救傷第一法』への翻訳
第4節 近代中国における国際赤十字運動
第5節 孫文と「紅十字会」
小結
第3章 『実業計画』の同時代的位相──中国経済開発計画の背景とエンジニアたち
第1節 『実業計画』発表の経緯
第2節 『実業計画』を生んだ時代背景
第3節 英文読者からの評価
第4節 『聯太平洋』と孫文
第5節 中国のエンジニアが読む『実業計画』
小結
第4章 孫文と工学──「太平洋の時代」における上海港
第1節 浚浦局による上海大築港計画
第2節 孫文の「東方大港」計画
第3節 張謇の水利事業
第4節 「東方大港」計画と張謇
小結
終章 近代科学思想と孫文
第1節 孫文の科学観の成り立ち
第2節 科学と哲学の架橋
第3節 孫文と哲学
おわりに
補論 孫文と南方熊楠
はじめに
第1節 熊楠の科学観の形成──「和漢洋三才図会」への道
第2節 民俗学と近代科学をめぐる対話──ロンドン時代
第3節 植物学をめぐる対話──和歌山での再会後
むすび
注
図表一覧
参考文献一覧
初出一覧
あとがき
索引
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