内容説明
神への信仰が自明だった宗教の時代から、ひとつの選択肢にすぎなくなる世俗の時代へ。こうした歴史認識の前提となっている西洋社会だが、「西方キリスト教」世界の世俗と宗教のあり方も実際は多様で様々な内的葛藤をはらんでいる。その内実を「ヨーロッパの東」による相対化も交え明らかにしていく。各国現状を比較した資料付き。
目次
序論 本書の目的・特色・構成[伊達聖伸]
第I部 総論 世俗の時代のヨーロッパにおける政教関係の構造と変容
[伊達聖伸、小川公代、木村護郎クリストフ、内村俊太、江川純一、オリオン・クラウタウ、加藤久子、立田由紀恵、井上まどか]
はじめに
第1章 近世─宗教改革から領域主権国家の確立と王権の強化まで(一六世紀~一八世紀)
一 スペイン─レコンキスタとカトリック的な王国の形成
二 ドイツ─宗教改革から領邦教会制へ
三 イギリス─国教会の成立から二つの革命へ
四 フランス─宗教戦争から絶対王政へ
五 南欧─教会国家再編のイタリア、王権強化のポルトガル
六 東中欧─宗教改革の「先行性」と帝国的な「宗派化」のもとの寛容
七 南東欧バルカン地域─オスマン帝国統治下の寛容と「イスラーム化」
八 ロシア─正教における帝権と教権、そして宗派化と帝国的な「寛容」
第2章 近代─世俗的世界観の覇権の時代(一九世紀~二〇世紀前半)
一 フランス─「二つのフランスの争い」とライシテの確立
二 スペイン─「二つのスペインの争い」か、カトリックの優位か
三 イギリス─国教徒と非国教徒の作り出すダイナミズム
四 ドイツ─政教分離の論理とプロテスタント的なナショナル・アイデンティティ
五 南欧─「二つのイタリアの争い」、「二つのポルトガルの争い」
六 東中欧─帝国(のはざま)の政治的・宗教的アイデンティティ
七 南東欧バルカン地域─反西欧的な宗教的ナショナリズム
八 ロシア─宗教的ロシアに対する二つの評価とソヴィエト体制下の政教分離
第3章 現代─宗教的なものの回帰と再構成(二〇世紀後半以降)
一 スペイン─イスラームに寛容なカトリック的ライシテの国?
二 ドイツ─「キリスト教優遇型」の存続か変化か
三 イギリス─多様性の承認とブリティッシュネスの共有
四 フランス─ライシテの試練
五 南欧─カトリック優位の「宗教的多元主義」
六 東中欧─社会主義体制下の無神論から冷戦後のカトリック復興へ
七 南東欧バルカン地域─宗教とナショナリズムの結合と再活性化
八 ロシア─自由と管理の独特の編成
おわりに
第II部 各論 世俗的ヨーロッパにおける宗教的なものの輪郭
〈政教関係の自明性を揺さぶる〉
第1章 一六、一七世紀スペインにおける政教関係─複合君主政と国家教会化[内村俊太]
はじめに
一 地域国家の政体
二 教会制度と国王教会保護権
三 複合君主政の下での国家教会化
おわりに
コラム:ポルトガルのカトリック教会と「独立」問題(西脇靖洋)
第2章 ポルトガルにおける権威主義体制の民主化とカトリック教会─リスボン総大司教アントニオ・リベイロの役割に注目して[西脇靖洋]
はじめに
一 権威主義体制の崩壊とカトリック教会
二 暫定期におけるカトリック教会
三 民主主義体制への移行とカトリック教会
おわりに
コラム:歴史を見る際の「補助線」としての理論的枠組み(内村俊太)
〈教育のなかの宗教を問う〉
第3章 ヨーロッパの公教育制度におけるイスラーム教育導入のプロセスと論点[見原礼子]
はじめに
ほか
感想・レビュー
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mittsko
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