メディアの中の政治

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¥4,070
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メディアの中の政治

  • 著者名:大石裕
  • 価格 ¥4,070(本体¥3,700)
  • 勁草書房(2021/04発売)
  • ポイント 37pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326302277

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内容説明

ニュース・メディアは外からの政治的影響力のもとで活動している。しかし、メディアの中にも「政治」はある。メディア・テクストの生産・受容過程で権力が作用し、メディア・テクストそれ自体も権力性を有しているのだ。本書ではこれらを理論的に分析し、自衛隊派遣、水俣病、チッソ安賃闘争、沖縄問題を事例に、不可視の権力を浮き彫りにする。

目次

はじめに

第1章 ジャーナリズムと権力
 1 はじめに――ジャーナリズム論の基点
 2 ジャーナリズムの任務
 3 民主主義と権力のとらえ方
 4 ジャーナリズムと権力(1)――政治エリートとの関係
 5 ジャーナリズムと権力(2)――マス・メディア組織・業界とジャーナリストとの関係
 6 ジャーナリズムと権力(3)――世論との関係
 7 ジャーナリズムと権力(4)――ニュースの物語と集合的記憶
 8 むすび

第2章 ニュースの物語分析
 1 はじめに――物語について
 2 ニュースの物語の重層性
 3 ニュースの物語と関連する諸概念
 4 言説実践における物語の機能(1)――ニュース・テクストの生産過程を中心に
 5 言説実践における物語の機能(2)――間テクスト性の問題を中心に
 6 「大きな(メタ)物語」と社会文化的実践
 7 むすび――物語の重層性とニュース・バリュー

第3章 メディア・フレームと社会運動
 1 はじめに
 2 メディア・フレームのとらえ方
 3 メディア・フレーム論の諸相
 4 社会運動論とメディア・フレーム論の交錯
 5 むすび

第4章 世論調査という「権力」――自衛隊のイラク派遣を中心に
 1 はじめに――世論調査の政治性
 2 「メディア政治」時代における世論調査
 3 「国際貢献」と「憲法」に関する世論と世論調査
 4 自衛隊イラク派遣に関する世論と世論調査
 5 むすび

第5章 水俣病報道の「物語」――一九五〇年代のニュース・バリュー
 1 はじめに
 2 水俣病に関する新聞報道の概要
 3 潜在化する水俣病事件
 4 水俣病事件の物語化とニュース・バリュー
 5 むすび

第6章 水俣病報道と労働運動――「チッソ安賃闘争」を中心に
 1 はじめに――ジャーナリズムの不作為と労働運動
 2 一九六〇年前後の社会意識、労働運動、社会運動
 3 チッソ安定賃金闘争
 4 安賃闘争と水俣病報道の停滞
 5 むすび――住民運動論・市民参加論再考

第7章 沖縄地方紙がつむぐ「記憶の網」――「慰霊の日」の新聞報道
 1 はじめに――中心と周辺、そして国民文化と地方文化
 2 アジア太平洋戦争に関する「本土」の記憶
 3 沖縄という「地方」
 4 沖縄地方紙の歴史
 5 「本土」と沖縄の「温度差」
 6 慰霊の日と沖縄県営平和記念公園
 7 「慰霊の日」をめぐる新聞報道(1)――二〇〇五~二〇〇七年
 8 「慰霊の日」をめぐる新聞報道(2)――二〇〇八年の沖縄県紙の特集を中心に
 9 むすび

あとがき
初出一覧
引用・参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽん教授(非実在系)

2
1~4章は様々な分析枠組みを検討し筆者なりに考察するまとめとして使えるが、筆者独自の付加価値は残念ながらあまりないように感じる。5~7章は事例分析であり事例そのものは興味深い(例えばチッソの労組は公害反対運動に冷たかったなど)ものの、分析としては浅いように感じてしまい、既存のイデオロギー的な見方の枠を十分に超えているようには思えなかった。良くも悪くも普通な本ではないかと。2018/11/28

Yuuji Hayashida

0
面白い。新聞、テレビのニュース報道を読み解く時に役立つ一冊。2016/08/22

takamori6136

0
p.149の60年安保闘争の項は、「岸首相への嫌悪感・・・確認の儀式」といった感情的な評価がメインで、客観的、つまり日米安全保障という観点からの考察が欠落しているように思えます!2020/08/23

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