徳間文庫<br> 汐のなごり

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徳間文庫
汐のなごり

  • 著者名:北重人【著】
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 徳間書店(2021/04発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198931131

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内容説明

物流の担い手だった北前船や、世界に先がけて米相場が開かれていた北の湊に生きた人々の物語。凜とした端正な時代小説!
惜しくも急逝した北重人、追悼刊行。日経新聞(11/2付)の書評で、北重人の美質は艶やかな文章にあるけれど、今回は風景描写で見事な成果を上げている、と紹介されました。日刊ゲンダイ(10/3付)の[書評]に心打つ時代小説集と紹介されました。大藪賞受賞作家の新境地! 北前船が着く北の湊を舞台に、遊女や、廻船問屋、古手問屋、敵討ちに出向く武士、米相場を張る相場師など、運命に翻弄されながらも、強く、しなやかに生き抜く人々の物語。『海上神火』『木漏れ日の雪』『海羽山』『歳月の船』『賽土の神』『合百の藤次』など6編収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はつばあば

49
山に囲まれた盆地。京とは云え汐の匂いを嗅ぎたくば舞鶴まで行かねばならぬ。若い頃は福井・輪島・珠洲、冬の日本海を幾度と訪れては感傷の旅とした。それこそ凛とした冷たさに気高さが立ち昇る荒れた海と岩を打つ波がしら。そこに住まう人のぶっきらぼうな物の云い方に温かさがあった。北さんの小説は色っぽさと艶めかしさと芯の強さを持つ人々への礼賛、自然への描写が素晴らしい。日本海独特の風情が醸し出されていた。時代物とじんわり沁みる風景を味わいたい方にはお勧め2015/09/30

BlueBerry

27
他のはパッとしなかったけれど最後の合百の藤次は面白かったです。2013/10/24

やっちゃん

19
北前船で栄える湊町での連作短編。まるで当時を見てきたかのような描写がリアルで楽しい。横のつながりは無いけどお金仕事政治恋愛‥各編ジャンルが違って飽きない、どれも長編でよみたいくらい。鳥海山、最上川、玉こんにゃく、山形好きです、またいきたい。2024/01/24

coldsurgeon

9
静かな時間の流れを感じる時代小説だった。江戸期後半、水潟という東北地方の架空の港町が舞台となり、短編形式で様々な話が進んでいく。おそら著者の出身地山形県酒田市なのであろうが、季節の移り変わりによる景色の変化が、とてもうまく書かれ、人々の生きざまが鮮やかに脳裏に展開される。2024/03/13

yamakujira

9
江戸時代、北の湊に生きる人々をえがいた6編の短編集。想い人を待ち続ける元遊女、飢饉から逃れて商家を継いだ旦那、早世した叔母の呪縛に苦しむ老女、仇討ちがかなわずに流浪する元藩士、夫や娘の不貞に悩む大店のおかみ、米相場の乱高下で復讐を遂げる相場師、運命に翻弄される人々の喜怒哀楽がしっとりと伝わる。仇討ちはともかく、江戸時代に舞台を借りていながら、現代にも通じる話ばかりだな。「合百の藤次」なんてバブルそのもの。架空地名にするのはいいけれど、水潟、風浦、海羽山といったネーミングが気に入らない。 (★★☆☆☆)2016/07/09

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