内容説明
惜しまれつつ逝った著者の遺作。飴売り三左の行くところ、難事件が解決する。江戸の町に、人の心に、飴売りの声が沁み渡る。
金が、金のあるところにしか 回らない。盗人も横行、百姓が逃散する時代、家中の権力争いに巻き込まれ、武士を捨てた飴売り三左。顔はいかついが、笑顔は天下一品。腕が立ち、肝も据わり、頼りになる。市井のもめ事・難事件を鮮やかに処理。殺人事件の下手人捜しから、敵討ちの助っ人、よろず決着。三左がなぜ、武士から飴売りになったのかといういきさつを描いた絶筆118枚の「火の闇」他、5編を収録。
その急逝が惜しまれる珠玉の作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じゅん兄
13
5つの短編集、丁寧でどこか切ない文章が印象的。かつて武士だった飴売りの三左衛門と一緒に暮らす小紋、わけがありそうな二人。江戸を舞台に事件が起き、そのたびに三左衛門がやさしさと度胸で解決していく。5話目「火の闇」で三左衛門が武士を辞め小紋と暮らすようになったいきさつが語られる。読み終わって表紙の絵を見た時、胸にこみ上げてくるものがあった。作者は8冊の小説を残して3年前に逝去、「火の闇」が絶筆とか、三左衛門の活躍がもう読めないのが残念。2012/10/28
カモノハシZOO
6
読ませるねいっていう感じ。北さんの作品はそんなにないので早く読まないとなくなっちゃう。取り敢えずブックオフで探そう。あと、火の闇がなぜ最後かその構成がよくわからない。北さんの急逝の影響なんだろうな、致し方なしか。2021/02/14
やぶチャン
2
珠玉の作品集。急逝が惜しまれます★4.82016/03/01
gachi_folk
2
北重人の遺作。藤沢周平と同じ山形出身の作家だが、出身地だけでは無く市井の暮らしぶりの描写が藤沢作品と同様に心地よい。続編が読みたかった。残念でならない。2012/11/05
酔ちゃん
1
★★★★初めの4話は短編で飴売り三左が持ち込まれた事件を解決する話で今ひとつだったが、最後の中編「火の闇」は時間が巻き戻って土屋三左衛門が武士をやめて飴売りになった経緯が語られる、これは読みごたえがあってぐいぐい引き込まれた。 国に残したお美代をどうするのか、魅力的な女性小紋の活躍はなど続編に期待したいところだが北重人氏はこの作品を書き終えて逝去されたしまったという。 何とも残念、葉室麟氏も佐藤雅美氏も亡くなられて淋しい限りです。2022/08/02
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