さよなら朝日

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¥1,980
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さよなら朝日

  • 著者名:石川智也
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 柏書房(2021/04発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784760153473

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内容説明

「めんどくさいやっちゃなあ」と思わせたら勝ち。こういう記者を辞めさせない会社も偉いと思います。――斎藤美奈子推薦

本書の試みを「蛮勇」だとシニカルに冷笑しているジャーナリストたちがいたら、彼らに言いたい。君たち、笑ってる場合じゃないぞ!――井上達夫解説

■内容
七年八カ月に及んだ安倍政権下、なぜリベラルは敗け続けたのか。問われていたのは、国民を愚民視し、不都合な民意をポピュリズムと断じ続けた自称リベラル勢力の歪んだ認識と底の浅さだった。改憲論争、沖縄の基地移転、脱原発……あらゆる局面で垂れ流された矛盾と欺瞞を、朝日記者が検証する。

■目次と抜粋
まえがき
“朝日新聞の中にいながらして、自社の報道を含めたリベラル勢力の矛盾や問題点を問うという行為には、まだわずかなりといえども意味はあると信じたい”

第一章 正義の暴走――世間とジャーナリズムとの共犯関係
“彼らはまずもって「世間をお騒がせした」と謝罪した。しかし、私たちは「お騒がせ」したのが彼らではないことを知っている。「騒いだ」のはメディアであり、「世間」である”

第二章 フェミニズム――目指すべきは差異か? 普遍か?
“意図的か無意識にか、リベラルメディアには「男と女から成り立っている社会」という言い回しが頻繁に登場する。そこに潜む様々な含意を、素通りしないようにしたい”

第三章 憲法九条――リベラルが民主主義を損なうとき
“「条文を変えさせていない=九条をまもっている」という我々の意識が、現実から目を背ける効果を持ってしまっていたのではないか”

第四章 原発と科学報道――リベラルメディアが忘れたい過去
“たとえ後追い仕事であっても、原子力平和利用の推進に新聞が果たした役割を検証することは、その看板の下で取材活動をしている者にとっての責任だと認めざるを得ない”

第五章 沖縄と本土――どちらの民意が重いのか
“本土のメディアやリベラルがすべきは、沖縄で進行している事態への本土の主権者の責任を突くことだ”

第六章 天皇と戦争責任――戦前から持ち越されたタブー
“天皇や皇室に関する自由な言論を許さない構造を作っているのは、リベラル系も含めたジャーナリズムである”

補論 インタビュー
 井上達夫 「自称リベラル」は国民を信じていない
 原武史 「天皇」という幻想
 本間龍 スポンサー企業の新聞社に五輪監視はできない

あとがき 記者に「論は要らない」のか
解説 日はまた昇るか(井上達夫)

■著者プロフィール
石川智也〈いしかわ・ともや〉
1998年、朝日新聞社入社。岐阜総局などを経て社会部でメディアや教育、原発など担当したのち、2018年から特別報道部記者、2020年4月から朝日新聞デジタル&副編集長。慶応義塾大学SFC研究所上席所員、明治大学感染症情報分析センターIDIA客員研究員を経る。共著に『それでも日本人は原発を選んだ』(朝日新聞出版)、『住民投票の総て』(「国民投票/住民投票」情報室)など。
Twitter: @Ishikawa_Tomoya

目次

まえがき

第一章 正義の暴走――世間とジャーナリズムとの共犯関係
解題
安田純平は誰に謝ったのか
「ピエール瀧」は視聴者に悪影響を与えるか――作者の不祥事と作品の価値

第二章 フェミニズム――目指すべきは差異か? 普遍か?
解題
「市民」に性差はあるか――「日本版パリテ法」報道への違和感

第三章 憲法九条――リベラルが民主主義を損なうとき
解題
国民投票に最低投票率は必要か
「護憲」「改憲」を語る前に問うべきこと

第四章 原発と科学報道――リベラルメディアが忘れたい過去
解題
「アストリッドの死」にニュースバリューはなかったのか
「原発報道」は戦後ジャーナリズムの敗北の原点である

第五章 沖縄と本土――どちらの民意が重いのか
解題
あなたの街に米軍基地は要りますか?
『ウルトラマン』とマイノリティ――在日琉球人が生きたヤマト

第六章 天皇と戦争責任――戦前から持ち越されたタブー
解題
熱海にあるもう一つの靖国――追悼をめぐる二つの場所
被害と加害のはざまに生きた官僚――赤木俊夫とヤマショウの亡霊
忘れられた右翼――五十年目の三島由紀夫、六十年目の山口二矢

補論 インタビュー
井上達夫 「自称リベラル」は国民を信じていない
原 武史 「天皇」という幻想
本間 龍 スポンサー企業の新聞社に五輪監視はできない

あとがき 記者に「論は要らない」のか

解説 日はまた昇るか(井上達夫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

原玉幸子

17
朝日新聞に対する先入観と言うか偏見があり、(私自身が時に選ぶにも関わらず、自分のことは棚に上げて「朝日らしい」と思う)フェミニズム、憲法九条、沖縄問題、天皇制等のテーマ然り、語句も文体も朝日そのままでした(著者の使う文言が結構知らず恥しい)。難しい題材故にか「新聞記者の取材止まり」と感じてしまう迫力の無さに多少がっかりしつつも、補論に組み込んだ井上達夫のインタビュー(とあとがき)が真っ当で説得力があります。専門家を巻き込み自身の主義主張を補足させて本に仕立てるのはずるいっ!です。(◎2021年・夏)2021/05/20

チェアー

6
リベラルからリベラル陣営を批判する書。あとがきに書いてあるように、原発報道についての朝日の歴史とスタンスを描いた章が自己切開していて出色の出来。 自衛隊論議、憲法論議、ジェンダーについての論も言われてみればなるほどと思う。政治状況に関係なく(だれを利するのかを考えず)、まっとうな論を立てることは必要なのだなと思った。 井上名誉教授との対談が、この本のバックボーンになっていると理解。 2021/06/01

hideto

5
朝日新聞社員による「さよなら朝日」。非常にキャッチーなタイトルで、現役社員による会社批判の一冊か?と思いきやそこまでではなく。憲法9条、沖縄米軍基地問題、原発問題、戦争責任等々、朝日新聞をはじめとする各新聞では読むことのできない持論を読むことができ、とても参考になりました。ただ、非常にわかりにくい部分も多く、読み進めるのが大変。この一冊の是非を語るには、かなりの知力が必要だと思いました。あと、タイトルはやっぱり違うような気が。2021/09/07

K.C.

5
朝日新聞は好きではないが、思想信条としては左でも右でもなく、中道少し左派くらいの感覚を持っているつもり。かつてあった噂の真相くらいのスタンスが気持ちいいのだが。 朝日をディスって満足するためではなく取った本書。メディアに求めていて渇望しているものが少し埋まった感じはする。中立なフリをしてサブリミナル効果のように誘導する手法に騙されているとは思いつつ、メディアリテラシーをもっと高めたいと考える我が身。2021/05/19

渓流

3
サヨナラ出来ない奴が「さよなら朝日」と言っても迫力ないし、内容も煮え切らず軟弱で今一、文章も悪文の限り。濃い内容を平易に書くのが記者であろうに、薄い内容を難解な漢字と言い回しと先哲の言説を引っ張って来て、さも俺は何でも知っていぞと高級感を出そうとする根性、胸にずんと来る主張からは遠い。こんな記者を辞めさせない朝日も凄いとよいしょする文芸評論家の話を載せるのも些か卑しく、矜恃が感じられない。ただ、井上たっちゃんの言説が載っていたのはおまけの様だが実はこっちがずんと胸に来る、これがなかったらただの自慰本ですナ2021/06/18

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