内容説明
遠く、近く。自分の居場所を探してた。世界はあまりに広く、知らないことだらけだった。心に響く旅物語――私が帰る場所はどこだろう。そもそも何故ここへ来たのか。喧噪のカルカッタ、憂愁のパリ、沖縄移民を訪ねてボリビアまで、クルドの音楽を聴きにトルコの東の果てへ……世界はあまりに広く知らないことだらけだった。彷徨(さまよ)える日本の今を描いて絶賛を浴びた『物語の海、揺れる島』の著者が綴る、心に響く旅物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
27
やはりこの人の本は面白い。ただの旅行記でもなく、時おり国籍など重いテーマも顔を出すが、終始「いろんな人がいるよね」といった感じでさり気ないアプローチなので、すんなり読める。2022/08/16
よっちゃん
2
作者が色々な国や街を訪れた時の体験をまとめた本。既に30年も前の話。現在では現地もかなり変わっているのだろうと思われる。解説で作者の優しさが文章に表れている。つまり話者の話が明らかに嘘でも追求しない受け入れ話を聞く姿勢があるとのこと、なるほどと思った。2025/02/14
ほうき
0
派手なことは起きないけれど、著者が旅先で感じたさまざまなことが浮かんでは消える様が描かれていて好きだった。自分の今いる場所から遠い生活の場まで想像力が及ぶ紀行は面白い。そのことを改めて認識できた一冊でした。2023/01/04