文春e-book<br> 私にできるすべてのこと

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文春e-book
私にできるすべてのこと

  • 著者名:池辺葵【著】
  • 価格 ¥950(本体¥864)
  • 文藝春秋(2021/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163913506

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内容説明

AIが人の仕事を奪うだなんて誰が言ったのだろう。

『プリンセスメゾン』の池辺葵、SFへの挑戦!

『繕い裁つ人』や『プリンセスメゾン』で、社会の同調圧力に屈せず孤高の道を行く女性を描き、熱い支持を集めてきた著者の新境地。

大量生産から20年、ヒト型AIが世界中で廃棄される中、少女・和音は喫茶店で働いていた。人とAIが共に暮らし、交錯する中できらめきを見せる、命あるものたち――。

誰かを、何かを愛しく思うのは、ヒトの特権ですか?

池辺葵(いけべ あおい)
2009年デビュー。同年より、『繕い裁つ人』(講談社)の連載を開始する。14年、『どぶがわ』(秋田書店)で第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。この年、『プリンセスメゾン』(小学館)も連載開始。18年、『ねぇ、ママ』(秋田書店)で第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。ほかの代表作に『かごめかごめ』(秋田書店)、『雑草たちよ 大志を抱け』(祥伝社)などがある。現在、『FEEL YOUNG』(祥伝社)で『ブランチライン』を連載中。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

99
使命が修了すると廃棄となってしまうヒト型AIロボット。その中の一人である彼女、和音(元の名はNo111)が観察した人の社会。AIの皆が同じ形の目、それがじっと何かを見つめる時の表情が印象的だった。田岡くん(元の名はNo100)も同じ目で観ていた。善意も悪意もなく、ただ無になって見つめたもの。感情を持たない彼女は人が怒ったり、喜んだり、悲しんだりする様を、いや、ただ生きている姿をキラキラ発光していると言う。そうかキラキラか。何だか素直に嬉しくなった。そう、リリィさんみたいに素直でいるのも良いことだと思った。2021/03/27

かさお

33
近い将来起こり得ること。A I人型ロボット〔人間と見分けがつかないレベル〕が増えすぎ人間の職が無くなるという理由で、余剰なAIは回収され他の動力に回される方針となった世の中。郊外のゆったりした片田舎街で、人間とA Iはまだ共存している。元監視カメラだった和音の目には、人間は発光している様に映る。セリフが余り無く、単純な線のイラストなのに、和音の大きな瞳と目が合うと、ドキッとしてしまう。私が感じる池辺葵の魅力は、押し付けがましく無い事。突拍子もない動きと無声映画のような静けさとの対比、じんわりくる。2023/10/01

ぐうぐう

31
人間の役に立つため開発されたはずのヒト型AI。しかし、道具として良くできているがゆえに人間の領域を侵すこととなり大量廃棄が始まる。元監視カメラのヒト型AI・和音の目を通して映し出されるのは、人間の営みだ。人間の都合で造られ、人間の都合で是非が決められ、人間の都合で捨てられるAI達。そんな身勝手な人間達を和音は、淡々と見続け記録する。そして、どうして彼らは発光するのかと考える。「だからヒト型はだめなんだ すぐに情がうつってしまう」という言葉が象徴するように、(つづく)2021/06/13

真朝

17
SFは苦手で何て書いたらいいのかよく分からないのですが、人間ありきなところが少し嫌に感じました。人間が造ったのだからしょうがないと思うけれど、本当に人間て我儘だなと思いました。 SFは苦手でも優しい絵と言葉に癒されるし、人間全て悪い訳じゃ無いのも描かれています。2021/04/10

しゅん

13
進化しきれない未来のような。AIの目は子供のようで、ずっと子供のままの存在として彼らは描かれる。2022/02/10

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