内容説明
宮本輝畢生の大作「流転の海」は実に37年の歳月をかけて全九巻で完結した。松坂熊吾、房江、伸仁、三人の戦後20年間を描いたこの大河小説には、実に1500人を超える人物が登場する。この物語の世界に調査の達人・堀井憲一郎が果敢に挑む。熊吾・房江両家の系図、それぞれの前史、舞台の地図、各巻あらすじ、主要人物370人の紹介、人物相関図等……。未曾有の文学的感動のお供に必携の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
154
第一部を読んだのはいつだったか・・無事に完結の第九部『野の春』を読み終えた時は感無量だった。何度も突き放したい熊吾ではあったけれど、どうしても見捨てられない男の一生。房江と伸仁、長い家族の物語でもあった。隅々までの記憶は忘却の彼方(読メ物忘れ部)ではあるけれど、読本として本棚に置きたい。2022/01/16
ジェンダー
47
流転の海はたくさんの登場人物が出てくるので1部作から順番にあらすじと共に登場人物の説明と主人公家族との関わりも書いてくれていてこの本も読みつつ本編を読むのもありかも!本編読んでから読むのも良いと思いますけどそれにしても改めて9部作でこれだけたくさん出てるとは思わんかった!この本があるとどんな内容だったか確認も出来るので本編と合わせて持ってると読みたい時に思い出せるので買ってて良かったです!2023/05/13
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
22
【1回目】人物名鑑部分は手を付けず、あらすじ部分を読んで「読了」扱いとした。宮本氏本人を模している伸仁とは、ちょうど入れ替わるようにぼくが生まれてきているので親近感が湧いている。伸仁が20歳になるまでの昭和史を描いた長編のよきガイドブックであると思う。2022/01/13
まさおか つる
21
『流転の海』シリーズの世界は、とても宏大で力強く、とてもリアルで生き生きとしています。細部にとても心配られた物語だからこそ作り上げられたひとつの世界だとおもいます。/おそらく一人ですべてを記憶することはむずかしそうなこの長大なドラマをより楽しむため、事典的にも、備忘のためでも、ただの懐古のためでも、当書をお使いくだされば幸いです。2022/04/07
ちゃま坊
21
大河小説の読書作法には登場人物と場所と時代背景のメモが必須である。それを調べるフリーライター堀井憲一郎氏が代わりにやってくれていた。これは便利。読本ができるということは、この小説の世界にハマるファンが多いということ。名作ということ。2021/09/21