内容説明
マラソン選手だった千吉良朱里は、所属チームの休部をうけ、女子大の新設駅伝部で監督を務めることになった。学校側から要求されたのは、5人の部員と3年目の全国大会出場! 苦労の末、部員を確保するが、陸上未経験者もおり、全国レベルには程遠い。そんな状況で、一人の才能ある選手が託された……。泣いて笑って、走って。爽快青春ストーリー、疾走!(『襷を我が手に』改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
153
マラソンや駅伝のシーズンにあわせて読みたかった物語。五輪代表候補だった朱里。浪華女子大の新設駅伝部の監督に就任。浪華女子大の人事課で働きながら、部員集めから始まるゼロからのスタートは、そりゃ大変なもの。陸上未経験者を含め揃ったら揃ったで、一難去ってはまた一難。紆余曲折の末、監督と部員が少しずつ理解し、絆を深めて一丸になっていく様子は読んでで微笑ましくなる。いざ大会!レースシーンでは、彼女たちが疾走する姿を追いかけるように、読む速さが増した。今後の彼女等の活躍を見たくなる完成度の高い面白さだ。2023/10/24
ジュール リブレ
84
図書館の今日の返却本コーナーから駅伝ものと知って借り出し。今気づきましたが『たこ焼きの岸本』の作者さんでしたね。五輪を狙ったヒロインが女子大の新設駅伝部の指導者になり素人集団を鍛え上げていく。一人一人のキャラも違うし能力も違う。トップの苦労と底辺の苦労も違うけど人間は感情の動物だと改めて思う。前作があるのかな。読んでみたい。2022/03/30
真理そら
56
『たこ焼きの岸本』シリーズの作者。実業団所属のマラソン選手・朱里は所属チームの休部で現役続行か引退かを悩む。近くの女子大が駅伝部を作り監督として来てほしいという誘いがあり引退して監督としてセカンドキャリアのスタートを切る。まず新設の部なので選手の獲得に苦労するところから始まるのがスポーツ小説としては珍しいかもしれない。監督の現役時代の知名度はこういう場面でも重要なんだなあと思ったり…。朱里のランニングコースをウォーキングコースにしている身としては非常に身近に思える物語だった。2023/11/21
大阪魂
47
蓮見さん初読み!年明けに駅伝大会でる予定やし、それもこの本の練習地・長居公園が舞台やからむちゃ親近感感じながら読ませてもろた!有名マラソンランナーやった朱里がお嬢さん大学の新設駅伝部の監督に就任!部員集めに苦労しながらほとんど素人の望やたまたまの縁でゲットした超有望選手・祐天寺、後輩の都とかをうまく引っ張りながら、でも独りよがりで失敗しながらどんどんチームをまとめ強くしてく!最後のレースはむちゃ感動させてもろた!タイムあげるための練習とかレース前の練習方法、勉強なったわー!駅伝大会の準備に使わせてもらおー2023/12/13
よっち
41
マラソンの世界陸上の出場権を逃した後、女子大の親切駅伝部の監督オファーを受けて引退することになった千吉良朱里。五人の部員と三年目の全国大会出場を目標に奮闘する青春小説。部活新設で文字通りゼロからのスタートで、選手集めから苦労したり、始めたばかりの指導者生活がなかなか思うようにいかない中で、周囲の助けを得たりして、地道な積み重ねが選手たちの成長に繋がってゆくのを実感できる展開はいいですよね。何が起こるかわからないレース当日もまたなかなかグッと来る展開で、朱里と教え子たちのその後をまた読んでみたくなりました。2021/02/08