内容説明
ロボット・AIとの共存,動物との権利闘争は,人間がいかなる存在なのかを私たち自身にあらためて突きつけている。哲学,そして倫理学はそうした多種多様な問いに応えるべく文明の歩みとともに長く議論を紡いできた。第一人者による,講義形式の,体系的な入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
2
「西側マルクス主義は…ソ連崩壊後、「正統派」マルクス主義ともども急激に存在感を低めていく。その理由のひとつは西側マルクス主義が結局批判理論しかできなかったこと、資本主義に対するオルタナティブを提出できなかったこと、にある。現存するソ連型社会主義、西側資本主義それぞれの問題点を克服し、そのどちらよりもマシで、なおかつ実現可能な社会ヴィジョンを提起できなかった。批判理論から踏み出して規範理論の構築に乗り出した西側マルクス主義者は、ハーバーマスが好例だが、結局は左派リベラリズムの立場に行き着かざるをえない」2024/10/09
本命@ふまにたす
2
倫理学一般についての入門書。規範倫理学を入口に、メタ倫理学、応用倫理学についてそれぞれ論じられているが、メタ倫理学に大きく紙幅を割いているのが特徴。倫理学における諸問題や、それに関する理論的立場を知識として整理することができる。2023/04/17
yuno
2
規範倫理学、メタ倫理学、応用倫理学。規範倫理学は、ベンサム、ミルらの功利主義とカント、ロールズらの権利論(義務論)について、議論の流れをなぞりながら論点を整理しつつ、徳倫理学とマルクス主義にも触れている。応用倫理学は、生命医療、環境、動物、AIと最近のトピックに具体化している。各論に深く入っているせいか、功利主義と権利論に対応しているように見えない部分もあり、やや不完全燃焼。メタ倫理学は、読む人が読めばよくまとまっているのだろうが、自分には難しかった…。面白そうな論点だけに残念。いつか再挑戦したい。2023/03/10
Bevel
2
わかりやすいとか、自分の言葉でかみ砕いてくれているという感想よりも、恥ずかし気がまったくないんやなみたいな感想が先に来るようになってしまった。。2023/02/14
Riko
2
専門ではないので頭をひねりながら読みました。。あとがきにあった出版した経緯を読んでへー、となった。図書館本。2021/04/28