内容説明
目いっぱいおしゃれをして目立つ住宅ではなく、住む人の生活を穏やかに受け入れる家、一つ屋根の下に生活のすべてがすっぽりとバランスよく収まっている家――そんな家で暮らしたい。居心地のよい住宅づくりで定評のある建築家が、みずからの体験を踏まえた住宅論から、家具や愛読書に至るまでを語る。想像の中で自身が住み手となることで生まれてくる間取りや設計上の工夫とは、どんなものなのだろう。暮らす豊かさの滋味を味わう建築書の名著。文庫化に際し、「建築家の本棚から」など大幅に加筆。
目次
「小屋」から「家」へ
MITANI HUT 1994
三谷さんの家 1985
生活の機微に対する観察力と想像力をもって……
コルビュジエの「UNE PETITE MAISON」
母のための家の仕掛け
NISHIHARA HAUS 1995
製図道具の老兵たち
箱型の建築をめぐって
抽斗壁 指物から建築へ
一緒に暮らす家具たち
PINE HOUSE 1992
旅の愉しみ
私家版 住宅用語辞典
新井薬師の住宅 1999
上総の家 1992
風土、風景、生活に寄り添うかたち
手ざわりの想像力
建築家の本棚から
あとがき
文庫本のためのあとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
49
以前から有名建築家のカッコイイ家が苦手で、初めてお気に入りとなる建築家さんと出会えました。何より、住む人が暮らしやすい家、気を衒わない家というのが最大のお気に入りポイント。事務所内でよく料理をされるそうで、料理をすることも、より良い設計には欠かせないというのも素敵。手がけられた数軒の紹介もありました。その中で中野の家に関しては、施主の希望である暖炉を、中村さんの希望である家から突き出た外階段を優先させたこと。これが不思議でした。表紙にも暖炉があって、ご本人も暖炉が好き。なのに階段なんだ?2024/01/14
Tenouji
16
読了に時間がかかってしまったが、これは、味わい深い、建築エッセイ本だった。幾度と読み返しても良いと思われる内容ですね。2021/05/07
翡翠
12
語彙の豊富さ、漂うユーモアとあたたかさにたちまち著者のファンになってしまった。きっと作るものも、生活を大事にした、大げさでなく、年月と共に愛着が増し、住む人、使う人の一部になるような質の良いものなのだろうと想像する。2022/01/09
黒澤ペンギン
8
将来こんな家に住みたいっていう想像がどんどん膨らんで時間があっという間に過ぎる。やっぱり薪ストーブは置きたい!2021/06/02
ロータス
7
建築家のエッセイなので当然のことながら家づくりの話が多いが、そのどれもこれもに著者独特の哲学があり、示唆に富んでいた。宗教上の理由で地鎮祭をしないクリスチャンの冴えた解決策も面白い。家に欲しいと思ったのは炬燵+囲炉裏的なイングルヌック。これがあったら冬も快適に過ごせそう。「建築家の本棚から」も良い。2021/07/14
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