内容説明
ニューヨークきっての女探偵リリアン・ペンテコスト。そしてわたしは、サーカス団員だったところを助手にスカウトされたウィロウジーン・パーカー。わたしたちの活動を紹介するのに最適な事件は、あの奇妙なコリンズ殺人事件だろう──。1945年のニューヨーク、ハロウィーン・パーティ中の大邸宅の閉ざされた書斎で、女主人が水晶玉で撲殺されたのだ。事件の直前に開かれた交霊会と、どのようなつながりが? 母と娘ほども歳の離れた探偵と助手の女性コンビの活躍を描く、ミステリの魅力満載のシリーズ開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
64
1945年ニューヨークが舞台だが時代を感じさせず違和感もなく読みやすい。主人公は親子ほど歳の離れた女性2人。持病を抱えた探偵とサーカス団の助手からスカウトされたウィル。日々、数々の事件を追う中から選ばれた『コリンズ殺人事件』ストーリーはウィルがこの事件を書にしたためる形で書かれている。ハロウィンパーティが開催され多数の来客で賑わう大邸宅で起こった殺人事件。なんといってもこの2人が魅力的。事件は後半になり思いがけない展開、警察モノとは違うエンディング。シリーズ1作目だが次作はまだ発売されていないらしい。2021/04/29
坂城 弥生
48
1945年のお話。女性探偵と、探偵助手の女性。だからか女性が中心の話しだった。2021/04/14
しゃお
39
1945年のニューヨークを舞台に、探偵として既に名声を得ているミズPと元サーカス団員のウィルという母娘ほど年の離れたコンビが、交霊会後に起きた大邸宅の密室殺人に挑むという事で本格ミステリを期待していると少々期待外れになるかも。とはいえ、師としてだけでなくミズPを慕い心配するウィルの成長と共に、シスターフッドや性的マイノリティなどについてさりげなく、けれど力強く描いている点に引きつけられるものが。それにしても本作で描ききれていない部分、特にホームズでいう所のあの人的な人物は今後どう描かれるのか気になります。2021/05/22
M H
28
名探偵と元サーカス団員の年の差女性コンビが大邸宅の密室殺人の解決に乗り出す。こう書くと本格みたいだが、病を抱えた身で弱者を助ける傍らある謎を追うミズPと未熟なりに体当たりなウィルの生き様が読みどころ。師弟でありながらも、互いを深いところで認め合う2人のおかげで清涼感溢れる作品に。続きが気になる終わり方と凛としたたたずまいに期待が膨らむのでぜひ続編も読みたい。2021/12/14
ツバサ
17
追っていく殺人事件の謎も気になるが、それ以上に主人公と師匠の関係性がグッと来るものがあるし、掛け合いや信頼関係がブレることなく進むのは良い。ただ師匠が探偵を辞めなければいけないのかが決まっているからその時にどうなるかというところ。続きが出たら追っていきたいですね。2021/03/22