内容説明
マリアと漣は大規模な希少動植物密売ルートの捜査中、得意取引先に不動産王ヒューがいることを む。彼には所有高層ビル最上階の邸宅で、秘蔵の硝子鳥や希少動物を飼っているという噂があった。ビルを訪れた二人だったが、そこで爆破テロに巻き込まれてしまう! 同じ頃、ヒューの所有するガラス製造会社の関係者四人は、知らぬ間に拘束され、窓のない迷宮に軟禁されたことに気づく。「答えはお前たちが知っているはずだ」というヒューの伝言に怯えて過ごしていると、突然壁が透明に変わり、血溜まりに横たわる男の姿が!? 好評シリーズ第3弾!/解説=宇田川拓也
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麦ちゃんの下僕
218
科学技術が現実社会とは異なる進化を遂げた“パラレルワールド”のU国を舞台に展開する「マリア&漣」シリーズの第3弾は、テーマが「ガラス」。今回は「インタールード」の挿入が1回のみですが、“事件”パートと“捜査”パートを交互に記す構成は前2作と同じですね。実を言うと、この作品最大の“罠”に関してはネタバレを踏んでいたんですが(苦笑)…それでも今回の(やり過ぎなくらい)複雑な“真相”には唸らされました!あと、マリアが巻き込まれるパニックサスペンス的な展開も面白かったですね。巻末の宇田川拓也さんの解説も秀逸です!2021/12/08
ちーたん
104
★★★★☆マリア&漣シリーズ第3弾。誰もが魅了される希少動物『硝子鳥』を秘密裏に所有する不動産王ヒュー。その情報を掴んだマリアと漣はヒューの邸宅がある72F高層ビルへ足を運ぶも爆破テロに巻き込まれ絶体絶命!一方でヒューによって軟禁された4人の男女が次々と殺されていき…◆賛否ありそうだけど個人的には一番面白かった!ふたつのクローズド・サークルを楽しめるのがイイ!結末に至る真相は目星通りな部分と本格とは呼べない展開であるのは否めないけどプロローグが心に残りやけに納得した。過去作との繋がりもあって楽しめました!2021/08/21
えにくす
100
やっと読めた。マリア&漣シリーズ第三弾。巨大ビルを所有する不動産王の懇親会に招かれた、4人の男女。目覚めると謎の迷宮に閉じ込められていて、1人ずつ殺されて行く。一方不動産王が不法に希少生物を飼育している情報を入手したマリアと漣は、巨大ビルに潜入する。そこで発生した爆破テロ。まるで911を連想させるような、緊張感ある物語だ。過去3作の中で、今回が一番面白かった。ジェリーフィッシュやブルーローズが、登場するのが嬉しい。硝子鳥の正体には驚いた!ラストは物悲しいな。漣はあの女性事務員と、付き合わないの?★4.12024/08/13
007 kazu
58
希少生物の違法取引疑惑のある富豪が住む高層ビルに入り、接触を試みる2人だがそのビルの一部が爆破。マリアは逃げ道を塞がれる。一方、最上階に住む大富豪のパーティには某プロジェクト関連者が集められていたがそこで連続殺人事件に巻き込まれていた。透過ガラスのフロアにも関わらず、犯人が見えない中で恐れおののく関係者達。若干トリックが複雑すぎる?と思うが一作目のジェリーフィッシュを絡めてくれるあたりにニヤリ。希少生物「グラスバード」の意外性とその最後の一文の余韻は見事だった。(続く)★4 2022/03/09
lucifer
53
マリア&蓮シリーズ第3巻。センセーショナルなプロローグから、静かなミステリーのグラスバードパートとパニック要素の強いタワーパートを交互に読むことでリーダビリティーは高い。前2作は、過去と現在を交互だったが、今回はリアルタイムだったので、今まで以上にスリリングで良い。ただ、推理がマリアの閃き頼りな点とトリックの後だしじゃんけん臭さは気になる。が、それでも衝撃の真相と‘‘硝子鳥’’のセンシティブな正体の驚きがあり面白かった。2021/06/20