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内容説明
「時代遅れの遺物」から、民主政治や平和を支える存在へ――。今や世界でわずか28カ国(日本も含む)となった君主国が、21世紀の現代に極めて重要な意味を持ち、特に「外交」の面で力を発揮しているのはなぜか。本書ではまず外交の源流、3500年前の中東に読者をいざない、中世イタリアの近代外交の夜明け、16世紀以降の宮廷外交黄金期、20世紀の二度の大戦を経ての英王室の発展を辿り、日本の皇室のあり方も振り返る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nishiyan
17
紀元前14世紀のエジプトを起点に「外交」という概念の誕生から、近代外交の成立と「宮廷外交」の終焉、現代の「王室外交」までの歴史を解説した意欲的な本書。紀元前エジプトにおいて「外交官特権」の原型が見受けられるとの指摘やイタリアから始まった「常駐大使」などの解説は興味深かった。著者が専門とする第四章「エリザベス二世の王室外交」は儀礼に厳格で前例を重んじながら、時の政府の至らぬところを「ソフトの外交」で補うエリザベス女王の英明さが印象的だった。日本における国際親善も皇室外交へとより発展させる必要性も強く感じた。2021/04/07
ピオリーヌ
13
近代外交は15世紀イタリアを嚆矢とし、今に至る。またあとがきには『ヨーロッパ近代史』『悪党たちの大英帝国』同様「東アジアにおける外交の執筆においては岡本隆司先生(京都府立大学教授)より多くのご示唆を賜った」とあり嬉しい。気になったところを箇条書きに。16世紀初頭のバチカンにおけるヨーロッパ諸国の序列について。神聖ローマ皇帝の一位は当然として、実質王の中ではフランス王が最上位。イングランド王は未だ序列七位でしかない。「外交」とは「対等」の者同士の間でしか成り立たないものである。2021/07/01
ジュンジュン
12
「外国交際」略して「外交」という漢字が生まれたのは、明治から。「自国を代表し、相手国と交渉し、情報を収集する」大使が本格的に常駐するようになるのは、ルネサンス期イタリアから。現代に通ずる大使館のルーツは意外にも新しい。本書は、役目を終えたかに思える(?)王室外交(皇室外交)の源流を求めて、古代エジプトまで遡る。そして、その意義も。実務面(ハード)を担うのが政府なら、王室外交はソフト面を担う。関係がギクシャクした時、緩衝材の役目を果たすと。その極意は…関係を続けるためだけに、ただ「会う」こと。まさに真髄。2021/06/17
さとうしん
10
近現代の王室外交だけでなく、その前提となる「外交」のはじまり、近代外交が形成されるまでの話がよくまとまっていて参考になる。世界最古の外交文書と位置づけられるアマルナ文書に、外交官特権の萌芽のような要素が既に見られるといった話や、中国の華夷秩序との比較がおもしろい。2021/03/24
Iwata Kentaro
6
王室(皇室)の外交の目的や役割、その歴史を簡便にまとめた良書。面白かったです。2022/04/28
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