内容説明
病室で二人の男が話をしている。かつて二人が少年だった頃の思い出――少年達は消えた少女を捜すために冥い森へと入っていった。次々と暴かれるそれぞれの嘘。そして最後に明かされる哀しく切ない衝撃のラスト! 鬼才・永瀬隼介の異彩を放つ物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チアモン
57
最後まで読んで少年の嘘が解き明かされる。行方不明少女を探しに少年たちが山に入るお話。ライスカレーの話はジーンと胸に込み上げて来るものがあった。はぁっ。みんな幸せになってもらいたかったなぁ。2019/07/20
りょうこ
45
先が気になって寝る間を惜しんで一気に読んでしまった。少年達の一夜の冒険。その冒険で明かされる一つ一つの謎にちょっと涙ぐむ。ところどころに『⁈』の部分が散りばめられてて最後までうまく引っ張られた。映像化したらとても綺麗な映像になりそう。2016/06/10
有
28
哀しすぎる。誰かを救えるはずなのに、あるはずの希望も打ち消して誰かを失っていく。数々の疑問が吸い寄せられるように、そうであって欲しくないところへ収まっていく。どうして。子供が嘘をつく状況をつくりだす親がいけないんじゃないか。もっと周りを見て。最悪だと思える今も生かされているのなら、きっと大丈夫なのだから。つかなくてもいいのに、つかなければならない少年たちの嘘が哀しい。嘘をつく度に現実と虚空の間が広くなって、その隙間で苦しい思いをする。ついた方も、つかれた方も。膝を抱えて呟いた、チュウの本音が忘れられない。2012/05/09
鈴
23
途中でもしかして?とは思ったが、あまりにも切ない。カレーをみるたび、しばらく思い出しそう(T-T)子供たちにはみんな幸せであってほしいわ~こういうの、親として悲しくなる。ラストも溜め息。2012/10/02
ケイ
20
嘘って、そんなに悲しい嘘だったのか。少年達の逞しさと自然の厳しさに気をとられ、人生の残酷さに気づく暇がなかった。最後の方で本当に救いようのない気持ちになったが、本当のラストでは暖かい感動がきた。そして、途中の細かい伏線の数々にも気づく。2012/12/01