内容説明
ヘイトスピーチ,テロや暴力をあおるSNS,リベンジポルノ,フェイクニュース…これらが問題となるたびに「表現の自由」は後退させられていく。今や,表現の自由には守るべき価値はないのだろうか? 表現の自由を見守り続けてきた著者からの問題提起。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
21
表現の自由とそれへの規制に関する論文集。ヘイトスピーチ、テロリズム促進的表現、リベンジ・ポルノ、インターネット上の選挙活動、フェイク・ニュース、「忘れられる権利」の6つのテーマを扱う。著者は規制に慎重な姿勢を示すが、「価値の低い表現には低い保護で足りる」という主張に批判的であり(p.88)、それはともすれば多数派が少数派の表現を排除することにもつながりかねないと懸念する(p.288)著者は表現の自由の濫用に対する最も有効で安全な対抗手段は、より多くの表現と、国民による相互監視と相互批判であると考える。2021/04/13
アルミの鉄鍋
3
★3 最初はヘイトスピーチやリベンジポルノの話で難しいなぁと思ってたけど、後半になるにつれてフェイクニュースやGoogleの忘れられる権利の複雑さがとても興味深く面白かった。どのテーマも奥が深いけど、後半は業界が似てるのでとても勉強になった。2021/02/03
Go Extreme
2
日本におけるヘイトスピーチ問題の歴史 在日韓国・朝鮮人 民事的救済および刑事処罰の可能性 禁止を求める声の高まり 禁止の合憲性 提案されている禁止は正当化されるか テロリスト行為とテロリズム促進的表現 各国のテロリズム対策 違法は行為の扇動と表現の自由 テロリズム促進的表現と表現の自由 政府とプラットフォームの共同規制 リベンジ・ポルノ 公表禁止と表現の自由 加害者の特定とサイト管理者の責任 インターネット上の選挙活動の解禁 フェイク・ニュースと表現の自由 忘れられる権利と表現の自由2021/03/05