ちくま新書<br> 介助の仕事 ――街で暮らす/を支える

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ちくま新書
介助の仕事 ――街で暮らす/を支える

  • 著者名:立岩真也【著者】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2021/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480073839

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内容説明

介助を得ることで自らが望む暮らしが可能となる。街で暮らすこともできるようになる。だが、現実は厳しい。数百万もの人が介助を必要としているのに、その担い手がいない。どうすればこの状況をマシにできるのか。介助に関心のある人、既にしている人、利用してみたい人、既に得ていて不具合を感じている人すべてに役立つ話をしていく。重度訪問介護という、公的介護保険ほど知られていないが重要な仕組みも解説。介護の仕事への対価の問題も含めて変えていけると説く希望の書!

目次


この年に 冷静に数えあげる 人がする仕事は残る、そのうえで 基本を動かさない この本をこのように出す、そして補う
第1章 ヘルパーをする
ヘルパーしてみる お金のこと まずたんにお金を増やせばよい どんな仕事? 一生一つではない、としたうえで格差を縮める 主体性の少ない仕事 調整する仕事
第2章 いろんな人がヘルパーをする
年とっても
とってからやる 再起の始まりにする だいじょうぶ すべての人を、は無理、だからしない、とはならない 学生のバイトにもなる 前衛の仕事と後衛の仕事 これは田舎に適している
第3章 制度を使う
介護保険の他に一つ、二つある 24時間 介護保険のほうが単価は高い 専門家も知らない、から まずサイトを見る ごく簡単に 解説 介護保険との関係 交渉がいる、こともある 弁護士たちも支援している いちおう押さえておくということ
第4章 組織を使う作る
複数あってよいとなると民間もよいとなる 自立生活センター=CIL 直接個人がという手もある 自薦ヘルパー 管理し調整する仕事は使う人の仕事にもなる
第5章 少し遡り確かめる
『生の技法』もう一度、安積遊歩 1970年 始まり1・「母よ!殺すな」 はやく・ゆっくり はじまり2・府中療育センター 「そよ風のように街に出よう」 学生を誘う
第6章 少しだが大きく変える
ボランティアではしんどい 筋論として、ボランティアでよいか 社会のパーツを変える 増やして拡げていった むしろこちらのほうに近づけていく 病院で学校で職場で 世界的にもけっこう行けているかもしれない
第7章 無駄に引かず無益に悩まないことができる
こくりょうを&から動かす 止められないという基本 それを実現することはできる 「相談支援」をまともにする 研究を仕事とする私たちは
第8章 へんな穴に落ちない
自己決定主義について・1 自己決定主義について・2 世話すること言われた通りにすることをまずきちんと肯定する しかし人と関わり身体が接するので 「介助者手足論」についていちおう 「関係大事主義」について 安住できればそれにこしたことはない、が 反優生のために取りに行く
第9章 こんな時だから言う、また言う
それでも亡くなった つまらぬ言い訳せず逃げを打たず起こることを知る このことについても短い本が要るだろうか 本書に書いたことから言えること 確認1・「ああなったら私なら死ぬ」は普通は誹謗だ 確認2・なんであなたは威張っていられるのか不思議だ 確認3・「特別扱いするな」はさらに意味不明だ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

75
この立岩真也という学者さんの本を初めて読んだ。なんて素敵な本を出す人なのだろう。迷うようにためらうように良い意見を紡ぐ人。この本は立岩真也入門にふさわしい。この人の本をもっと読みたいと思わされる。こんな言葉を紡ぐ人は珍しい。影響を受けそうな文章家だ。老人介護の本ではなく、障害者の介護(介助)の本なのだが、大いに啓蒙された。ケアマネージャーは介護保険の事しか知らない人があるそうだが、他にも適用できる制度がある事。そして障害者による運動の歴史や、その中で輝く偉人とその著書の紹介。こんな学者さんがいるのか✨。2021/03/31

ネギっ子gen

58
著者急逝の報を受け――。にしても、まだお若いのに……。ネットでは大変お世話になりました。深く哀悼の意を――。街の自宅で障害者が暮らしていくための制度「重度訪問介護」という、公的介護保険ほど知られていないが重要な仕組みを解説した新書。重度訪問~利用者のいるところに出向いて、比較的長い時間付き添って、介助者がその人の指示に従って動くというもの。介助を得ることで自らが望む暮らしが可能となる。だが、現実は厳しい。数百万もの人が介助を必要としているのに、その担い手がいない。どうすればこの状況をマシにできるか……。⇒2023/08/10

耳クソ

16
著者が亡くなって八ヶ月くらい経って、SNS上では車椅子ユーザーへのバッシングが吹き荒れた。どうやら或る車椅子ユーザーの態度が健常者サマのお気に召さなかったらしい。そんな健常者連中などさっさと車椅子で轢き殺してしまえ、と思うが、多勢に無勢である。だが、多勢のバカは概して臆病であるから、たいてい目の前にはいない。目の前の問題への応対においていかなる人であれ人は絶対的に無勢だ。無勢のわれわれは無勢のなかで本書を読む。そして目の前の現実をどうにかする一人の人である。2024/04/21

kentaro mori

6
極めて明解。●全部は無理でしょ、だから現状通りで仕方がないという、理屈にならない理屈を言って何もしないのではなく、現実を、そう手間暇かけずに、一つずつ、しかし結果として大きく変えていくことは簡単なことであり、するべきことであり、すればいい、そういうことです。2021/03/11

k_mitamura

4
「重度訪問介護従業者養成研修」の講義書き起こしがベースであるが、筆者の膨大な著作の入門編的なものとしても読め、比較的読みやすい。確かに実用的・実践的な本だが内容は多岐に渡る。介助(介護)へのなんかキツそうな大変そうな仕事だという紋切り型のイメージがいい意味で軽くなるし、そのように仕向けていくことの提案であり、介助(介護)の民主化(「濃さを薄める」)とでもいえばいいのだろうか、介助(介護)をあくまでドライに、誰にとってもふつうのことにしていくこと、がここでは説かれていると思う。2024/02/04

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