グッバイ、コロンバス

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グッバイ、コロンバス

  • ISBN:9784255012117

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内容説明

デビュー作で全米図書賞受賞!

アメリカを代表する作家、フィリップ・ロスの伝説の青春小説が待望の新訳で瑞々しく甦る。

真夏のプールで運命的な出会いを果たしたニールとブレンダ。二人はたちまち引かれ合い、結婚を意識し始める。若い男女の恋には危うさがつきまとい、季節の移ろいとともに、輝かしい日々は過ぎ去っていく。はかなくほろ苦い青春期の恋を瑞々しい文体で描いた永遠の名作。

「今から60年以上も前、1958年にフィリップ・ロスが発表し、1965年に佐伯彰一さんの名訳で日本に紹介された「さようなら コロンバス」をぼくが読んだのは、1969年、はたちになったばかりの時だった。その時に激しく心を揺さぶられ、この小説は一生忘れることのできない、ぼくにとって最もお気に入りのアメリカ文学の一つとなった。
 その作品を新たに翻訳するという素晴らしい機会を与えられ、作業を進めながら、改めて強く思ったのは、本作がまったく過去のものにはなっていないということだった。主人公二人の不安や苦悩、葛藤、そして失敗は、具体的な状況やかたちこそ違え、今の若者たちにリアルに伝わるはずだ。「グッバイ、コロンバス」は1950年代後半のアメリカ社会のノスタルジックな青春小説、恋愛小説にとどまることなく、完璧に描かれた若者たちのみずみずしさとおろかさ、純粋と放縦、優しさとわがままゆえ、2020年代の今をも照らす永遠の輝きを放っている。」――訳者より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

108
「ぼくらはぶくぶくと息を吐きながらキスをした。グリーン・レーン・カントリー・クラブのプールの水底で」。プールサイドでブレンダに一目惚れしたニール。堪らず彼女に電話した。声を2オクターブも高くしながら。50年代後半のNJ州の街を舞台に描かれる青春小説。古めかしさはあるが、格好つけた感性や軽妙な言い回しに惹き付けられた。ユダヤ系アメリカ人(著者も)の家庭をさらりと細部まで注視した描き方も興味深い。自我と恋愛の不確かさをこじらせるのは若さの特権だがニールは一方的過ぎたかな。先への憂い、過去への懐古が入り混じる。2021/03/27

ポルコ

30
原文は、複雑にして難解、だそうだが、十分に伝わった青春の危うさとほろ苦さ、と、そして文学的確かな香り。2021/05/20

ともっこ

19
ユダヤ系アメリカ人の主人公と裕福なユダヤ系お嬢様との恋愛小説。 淡々とした物語だが、主人公の仕事に対する姿勢、恋人の家族に抱く感情、黒人の男児との関わりなど、深い描写があるわけではないそこをじっくり考察したくなる。 グラディスおばさん(主人公のおばさん)のキャラも独特、恋人の母親へ抱いた主人公の第一印象なども興味深かった。 身勝手な主人公(若さゆえか)には終始苛立ちを覚えた。 こういう人、実際にいるし知っている。 2021/03/24

Takashi Takeuchi

18
プールで眼鏡を預かった女の子に一目惚れ。冒頭のシーンで引き込まれた。23歳大卒社会人と女子大生の一夏の恋物語。50年代の恋愛物語のヒロインとしては個性的なブレンダ。主人公ニールの叔母さんを筆頭に脇役のキャラクターもおもしろく、ニールと黒人少年とのエピソードも良いし、キュートなラブストーリーが展開するかと思いきや、、「ニールおまえなぁ〜」となりつつ、20歳頃の自分はどうだったかと考えさせれる。苦く、せつない。2022/08/14

uniemo

16
学生の頃映画好きな友人と古いアメリカ映画のDVDをいくつか見た中の一つ。題名ははっきり覚えていたのですが正直中身は忘れていて初めて接する気持ちで読めました。期待以上に面白かったです。女性に対してや黒人に対しての目線など今では差別的にみえる部分もあるけれど、成人とはいえまだ幼い主人公たちの青春の陰と陽の場面が懐かしい。2021/05/22

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