Before/Withコロナに 生きる 社会を みつめる

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Before/Withコロナに 生きる 社会を みつめる

  • ISBN:9784909090546

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内容説明

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日常生活を一変するパンデミックは、わが国のほとんどの人が経験していない。過去に生じた感染症でよく引き合いに出されるものにスペイン風邪(現在のA型インフルエンザ)がある。今からおよそ100年前、1918年に発生した感染症である。全世界で患者数約6億人、死亡者は2,000~4,000万人に上ったとされる。日本では、当時の人口が約5,700万人と現在の半分以下であったが、約38万人もの人たちが亡くなっている。感染した人の数も国民の約40%にまで広がったという。 (「日本におけるスペイン風邪の精密分析」東京都健康安全研究センター)
 当時に比べ、ワクチンなど医薬の研究開発や医療態勢は著しく進歩しており、感染予防に向けた住宅の衛生面や生活様式も大きく向上している。しかし、都市化の進展や経済の発展に伴い、人が世界を自由に往来するグローバル社会であることや、人口過密化などの感染拡大要因を抱えており、感染症による脅威は以前と何ら変わらない。
 新コロナ感染症が収まるまでしばらくの間、われわれはウィズコロナ社会に生きることを余儀なくされる。働く場や学びの場など諸活動をいかに継続するか、感染拡大防止と経済活動の両立をどう図るかなど、試行錯誤が続いている。
 一方、人口減少・少子高齢社会のもと、かねてより地方消滅の危機が叫ばれてきたが、コロナ禍を背景に、改めて東京一極集中の是正と地方創生がクローズアップされている。コロナをきっかけに、人々の生き方や暮らし方などに価値観の変化がみられ、大都市から感染リスクの少ない地方に関心が向き始めている。経済利便性を追求してきた社会の流れに大きな軌道修正を求める兆しがある。パンデミックという非常事態に遭遇し、コロナ禍が地方創生の呼び水であるばかりか、これからの都市のあり方に大きな変革の必要性を訴えている。
 ペストの流行が近代国家を導くきっかけとなったように、コロナ禍が一つの契機となり、様々な分野で従来の常識や価値観が大きく変化するパラダイムシフト(劇的な変革)が期待できる。
 本書では、「Before/Withコロナに生きる社会をみつめる」と題し、コロナ禍以前、現在、そして未来に思いを馳せ、広く社会の動きを考察している。また、多くの人が初めて経験する「新型コロナウィルス」という新たな感染症に対して様々な分野での現在の動きや取組みを紹介している。本書を通じ、読者の皆さんが、今後のポストコロナ社会を共に考える機会となれば幸いである。

目次

●第1部 現場から見えるBefore/Withコロナ
1.新しい対人コミュニケーションの形の模索(磯 友輝子・東京未来大学)
2.コロナの時代の教育のあり方―「自主的・対話的・深い学び」の確保(本田 恵子・早稲田大学)
3.新型コロナ感染後の新たな社会を展望する―医療・病院経営の立場から(井上 貴裕・千葉大学医学部附属病院)
4.中小企業・小規模事業者がとるべき新型コロナウイルス感染対策(木野 直之・中小企業診断士)
5.三大都市圏等における不動産市場の変化と展望(櫻田 直樹・日本不動産研究所)
6.Before/Withコロナ:地方創生の致命的盲点―「20代女性大流出で失う人口の未来」(天野 馨南子・ニッセイ基礎研究所)
●第2部 Before/Withコロナと都市・まち(地域)・住まい
7.コロナ禍がもたらすまちづくりの変化とは(米山 秀隆・大阪経済法科大学)
8.新しい住まいの可能性―老朽化団地の建替えによる自律型社会の実現(山田 尚之・鳩ノ森コンサルティング)
9.地方移住を促す居・職(食)・住(髙野 哲矢・アンドプレイス)
10.新型コロナ感染社会と都市政策―地方分散型の都市を実現するために(山口 幹幸・元東京都)
11.新型コロナと都市計画:「新近郊」論に向けて(高見沢 実・横浜国立大学)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

izw

8
コロナ禍が始まり半年が過ぎた2020年10月末頃に、これから人々の生活はどうなるのだろうか、教育、社会、住宅、都市の形態はどうなるかについて、様々な分野の専門家11名が論考を寄せている。まだ先の見えない中で、現状の把握をしっかりした上で今後・コロナ後を語ろうするが、先の見えない中で戸惑いの多い論考も多い。東京一極集中の実態は、男女格差が進み地方からの女性流出が進んでいるということは目からウロコだった。地方の活性化が進むかという課題は表層的なテレワーク拡大に惑わされず慎重に取り組まないといけない。2021/12/30

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