内容説明
米国中心の国際秩序の中で「テロ国家」認定を受け孤立化してきたイラン。近年、中国とのパートナーシップを模索するなど今後の国際関係を考える上で大きな鍵となり得る同国について、主権国民国家となる以前の動きも含めて歴史をたどる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
13
10頁。ターヒル朝は、「イラン系最初の独立王朝」と呼ばれることがある。しかし、ターヒル朝の場合には、カリフに貢納を続けていたこと、アッバース朝との緊密な関係を維持したことから、完全な独立王朝とみなすことは難しい。アッバース朝もターヒル朝も、同じ「王朝」である。しかし、そこには厳然とした区分が存在していた。アッバース朝の君主がカリフであったのに対して、それ以外の地方王朝の支配者は、アミールの立場にあった。アミールは、軍隊、遠征軍の司令官を意味していたが、征服地でそのまま総督となった者もアミールと呼ばれた。2022/07/07
Go Extreme
1
イラン世界の変容:イラン系独立王朝 トルコ人の改宗とトルコ系王朝出現 トルコ民族の活動とモンゴル支配時代:トルコ民族とイラン史 イラン地域の11~14世紀の諸国家 ペルシア語文化圏の形成と変容:15世紀のペルシア語文化圏 サファヴィー朝の崩壊と十八世紀のイラン高原 近代イランの社会:ガージャール朝の成立と国際関係 列強の進出とイランの従属化 抵抗の始まりと改革の試み ナショナリズムの出現と立憲革命 国民国家への道:イラン・ナショナリズム 国民国家への途 パフラヴィー体制とイラン社会 スラーム革命と現代2021/05/13
Masayuki Shimura
1
【日本語での「日本史」とは、ある一定の空間に生きた人々(日本人)の過去を言語や文化も含めて通時代的に整理してたどることを意味する。同様のスタイルを「イラン史」に求めることは非常に難しい】(文中より引用)・・・・・教科書的にイランの歴史について考えることができる一冊。そもそも「イランの歴史とはどこからどこまでを指すか」という点から解説してくれるため、認識を形作る上での補助線も丁寧に引いてくれている印象を受けました。2021/02/17
Takahide✈Yokohama
0
知らない地名に知らない人名ばかりでさっぱり頭に入ってこない。逆に行ったことある場所や近代で名前を聞いたことある人については理解が深まったと思う。2024/01/28
Akiko Kimura
0
欧米列強からの搾取の酷さが、かつての敵であったロシアに現在軍事支援しているもとか、と思った。 何はともあれ、衆愚政治家トランプがダメだよ。2023/03/31