内容説明
神様の書かれたシナリオを、大根役者の私が必死になって演じてきた……。
「御宿かわせみ」の作者・平岩弓枝さんによる、もうすぐ九十歳の幸福論!
学校の成績は、国語と歴史をのぞいて最低だった。
駈けっこはいつもびりで、自転車にも乗れない私が、
数々の名誉ある賞をいただく人生を送るとは、
まったく夢にも思わぬことであった。
生まれてきて本当によかった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごへいもち
28
「かわせみ」が好きなので。さすがにとても読みやすい。良い人生で素晴らしい。これからも書き続けて欲しい2021/07/30
タピオカ
25
90歳に近い平岩弓枝さんが思い出を綴ったエッセイ。代々木八幡宮の一人娘として生まれ小説家を志し、同じ門下のご主人と出会う。子どもの時のこと家族のこと仕事のこと旅の思い出など読みやすかった。愛犬とみやお供猫ハナの話がよかった。2021/06/27
toshi
12
自叙伝風エッセイ集。 「御宿かわせみ」シリーズをはじめ、数十冊は読んでいる平岩弓枝だけど、エッセイ集ははじめて。 個人的なことはほとんど知らなかったので、伝統的な神社の一人娘で養子をもらって継いでいるなんてびっくり。 考えてみれば時代小説を書くには絶好の環境かも。 流石に文章はうまくて読みやすい。 今の時代に一言 「不自由を常と思えば不足なし。」 御遺訓(徳川家康)2021/03/22
ポメ子
11
個人的には、私が時代小説を好きになり、読むきっかけになったのは、著者の『御宿かわせみ』と宮部さんの『初ものがたり』である。事件などの謎解きもさることながら、江戸の風俗が詳しく書かれていて、江戸時代を知るわけではないが、何故か郷愁を思いおこされ、ほっとする気持ちがしたものだった。 なので、著者のエッセイも興味深く読んだ。 ほっこりし、クスッとする優しい心地よいエッセイだった。どれも良かったが特に好きなのは、犬のとみと猫の花の話。2021/03/12
ときわ
9
私は御宿かわせみ以外はほんの何冊かしか読んでいない。平岩さんご自身のことはあまり興味がなかったけれど、せっかくのエッセイなので読んだ。直近のかわせみは、さすがにお歳かなあなど思ったのだが、このエッセイは最近書かれたのにとても面白くてほっとした。お嬢様として大切にそして愛されて育ったのですね。でも少しも傲慢な性格にならなかったのは神職のご家庭だったからかな。作家になる道筋をつけてくれた友人、誠実な結婚相手、周りに恵まれ作家人生をまい進、おかげで私たちは平岩さんの小説を楽しむことができました。2021/04/06