日経プレミアシリーズ<br> 安いニッポン 「価格」が示す停滞

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日経プレミアシリーズ
安いニッポン 「価格」が示す停滞

  • 著者名:中藤玲【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 日経BP(2021/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532264536

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内容説明

「日本の初任給はスイスの3分の1以下」
「日本のディズニーの入園料は、世界でもっとも安い水準」
「港区の平均所得1200万円はサンフランシスコでは『低所得』」
「日本の30歳代IT人材の年収はアメリカの半額以下」 ……
物価も人材もいつしか「安い」国となりつつある日本の現状について、
ダイソー、くら寿司、京都、ニセコ、西川口など、記者がその現場を取材。

コロナ禍を経てこのまま少しずつ貧しい国になるしかないのか。脱却の出口はあるか。
取材と調査から現状を伝え、識者の意見にその解決の糸口を探る。

2019年末から2020年にかけて日経本紙および電子版で公開され、
SNSで大きな話題をよんだ記事をベースに取材を重ね、大幅加筆のうえ新書化。

目次

はじめに 日本の「安さ」を直視する

第1章 ディズニーもダイソーも世界最安値水準――物価の安い国

世界で最も安い「夢の国」/「100均」なのは日本だけ/回転ずしも日本が最安/バブル世代のたそがれ/なぜこれほど安いのか/スーパーの店頭から見える価格下落/読者が思う「安いニッポン」

第2章 年収1400万円は「低所得」?――人材の安い国

サンフランシスコVS港区/労働生産性が主要先進国で最下位の背景/人手不足が崩す年功序列/初任給やIT報酬も低い/インドで人材を確保できない/横並びの賃上げ交渉/「ボイス」を上げない日本人/ジョブ型で全て解決?

第3章 「買われる」ニッポン――外資マネー流入の先に

ニセコが買われる/技術が買われる/崩れる日本のお家芸「アニメ」/ネットフリックスの制作費はNHKの5倍/最新の「外国人街」事情に学ぶ

第4章 安いニッポンの未来――コロナ後の世界はどうなるか

インバウンドバブルのその後/ホテルに見る「二重価格」/「高いニッポン?」携帯料金への値下げ圧力/水産会社の憂鬱/「安い」ことによる弊害/コロナ後に日本の「安さ」は変わるのか/国、企業、個人はどうすべきか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

371
インバウンドの外国人が大挙して日本にやって来る。それは端的に日本のホテルが、交通費が、食費が安いからである。今や欧米の水準からは遥かに遠く、中国や韓国よりも安いようだ。一方、私たちはおいそれとは海外に行けなくなった。回らない鮨屋でウニやトロといった高級食材を堪能するインバウンド客。その一方で、一皿百円の回転すしを食べる私たち。それはもはや近未来ではない。著者の中藤玲氏(日経新聞の記者)は、その原因の最たるものは労働生産性の低さにあるという。この30年間のツケが回ってきたのである。この間、大企業は自らの⇒2024/11/14

absinthe

165
日本の物価は高いと言われていたのは過去の事。地価、物価、住居、給与、あらゆるものが安くなった日本。庶民からの視線で書かれている。学者が書いたような整理済みの情報でない分、未整理ではあるが庶民には腑に落ちやすい書。渡辺努さんへの取材の結果が多く、その結果『世界インフレの謎』と被る部分も多い。読んで印象だけ摂取すると、衝撃を受けて日本はこんなに悪いのかと信じ込んでしまうかもしれないので、他の本も読んでバランスを取ろう。2023/09/25

きみたけ

157
著者は愛媛新聞社を経て日本経済新聞社編集局企画報道部所属の中藤玲氏。2019年末に日本経済新聞で連載した「安いニッポン」をベースに、新型コロナ感染拡大の影響を加味した一冊。ディズニーの入場料が世界では最安値、年収1400万円のSEは海外で低収入など、新興国からみても「安い」国となりつつある日本。長いデフレにより企業が価格転嫁するメカニズムが破壊されているのが原因とのこと。ニセコが買われ、技術が買われ、アニメーターが買われている現状や、購買力が落ち買い負けているニッポンはこの先どうなってしまうのか不安です。2022/07/10

belalugosi6997

114
「合成の誤謬」をご存じか?アニメやスキーリゾート、中小企業や優秀な人材が海外勢に買われ、国民は貧しいまま恩恵は受けられない。国内の大手企業が下請イジメのせいで、待遇の良い外資を頼った方がマシだ、気持は理解できる。問題は対処方法だ。各界隈の著名人が述べる答えは「規制緩和、雇用の流動、生産性向上、DX」正直がっかりした。これこそが「合成の誤謬」。たった二人だけ正解を導き出した。永濱利廣氏・中村天江女史。答えは「緊縮財政国の経済は停滞し、積極財政国の経済は繁栄する」政府は積極財政・消費減税で景気を良くしてくれ。2021/09/16

reo

107
製品の値上げができないと企業がもうからず、企業がもうからないと賃金が上がらず、賃金があがらないと消費が増えず結果的に物価が上がらない。このような悪循環がここ二十数年間続いている。わが国では物価が上がるのは”悪”と固く信じられており、少しでもものが高くなるとワイドショーなど、かまびすしい三流の報道が朝から晩まで、政治が悪いの一斉コール。僕たち団塊の世代も含めた上(年金世帯)が居なくならなければ日本は立ち直れないかも。垣谷美雨氏著「七十歳死亡法案、可決」が、本当にそうなってくれればなどと思ったり。ハァ😞2022/07/21

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