内容説明
待ち受けるのは暗黒の未来か――今から19年後、日本の人口は65歳以上の高齢者35%を占めると推計されている。社会保障費が増大する一方で、労働力不足は深刻化。それが「2040年問題」だ。政府は「一億総活躍」と称し、高齢者の就労促進を謳うが、そこには公的支援を抑えようとする意図が透けて見える。70歳を過ぎてもハローワークに並ぶ。もはや「悠々自適の老後」はなくなった。死ぬまで働かなければ生きていけない「老後レス社会」が到来する。未来の日本はディストピア(暗黒の世界)なのか。朝日新聞本紙と朝日新聞デジタルで好評を博したシリーズに、新たな取材による加筆を全面的に施し、「老後のなくなった日本の現実」と、避けられない未来をどう生きるかを考える。高齢者はもちろん、高齢者予備軍必読の1冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
47
妖精さんかぁ。いつの世にもどの世界にもいるよ妖精さん。その存在も大事だと教わってきたけれど、多様性を求められる現代にして、妖精さんの存在は許されないのか。老後レス時代。ポジティブに捉えたら、いつまでも現役でいれるってこと。働かないといけないではなく、働く場があることをありがたく思えるように。働いてない私が言うか⁉︎ 2021/12/03
つちのこ
31
早期退職し、今年から始まった年金暮らし。日がな一日好きな本を読んで過ごしている…こんな自分は、本当に恵まれていると思う。本書には、死ぬまで働かないと生きていけない高齢者や、将来の予備軍ともいえる非正規雇用にあえぐロスジェネ世代、職場で居場所がない定年間近の人々の悲痛な声が綴られている。なんでこんな国になってしまったんだろうと考えつつ、自分は単に運が良かっただけだと思ったりもする。本来、祝福され喜ぶべき長寿化が、不安をもたらし、本人、家族にとっても生きていくうえでの人生最大のリスクになっていく。⇒2022/08/27
Roko
29
ある程度の規模の会社勤めをして、そこを退職後、別の仕事をしている人たちのことも紹介されていましたが、この人たちは極々恵まれた人たちだなぁって感じてしまいました。本当に問題なのは、生活のために働き続けるしかない人たちです。その人たちをどうフォローしていくのか?については、この本の中では全く語られていません。国はこの問題を本気で考えてるのかなぁ?と疑問ばかりが湧いてきてしょうがないのでした。2021/10/05
ごへいもち
24
少子高齢化が進むのなら、個人的には死ぬまで元気に働いて老人医療費を減らして税金を納めることで若い世代を応援できたらいいなと思います2021/08/23
団塊シニア
23
定年退職して年金をもらい働かずに晩年を送るような人は本書にあるように少数派かもしれない、まさに消える老後である、また警備業が高齢者の受け皿になってるのも事例から納得できる。2021/04/18