講談社文庫<br> 改訂完全版 暗闇坂の人喰いの木

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講談社文庫
改訂完全版 暗闇坂の人喰いの木

  • 著者名:島田荘司【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 講談社(2021/03発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065227633

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内容説明

さらし首の名所だった「暗闇坂」にそそり立つ樹齢二千年の大楠。この巨木が次々に人間を呑み込んだのか。近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とは。とうてい信じられない怪事件に名探偵・御手洗潔が敢然と挑む。しかしながら真相に迫る御手洗も恐怖にふるえるほど、事件は凄惨を極めるものだった。本格ミステリーの巨匠が精力を注いだ大傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オーウェン

64
この作品から御手洗潔は新たなフィールドへと活躍の場を移す。 それは海外へと出向くことであり、トリックよりはおどろおどろしい雰囲気を重視したミステリ。 表紙の画だけでも実に不気味。 少女が楠の大木の枝に取り込まれているという図。 犯人の執念がこの犯罪を成し遂げる、と同時に手記によってすべてを終わらせようとする締めも、何とも嫌な雰囲気で終わらせる。2023/07/18

Y2K☮

35
なかなかに凄惨。直視し難い部分もあった。だがそういう歴史が存在することを普段は忘れていていいから、記憶の奥底にそっとしまっておきたい。受け手への配慮も大事だけど、タブー視してなかったことにする方がたぶん罪深いから。そして相も変わらず多種多様な角度から繰り出される謎の提示及びその解明プロセス。著者の本格ミステリィには人間そのものや芸術全般に関する深い造詣が詰まっている。ゆえにこそ探偵・御手洗潔が持つ現実離れした万能性と頭の回転の速さが不自然とは映らない。現にこんな大作を創れる島田荘司が実在するのだから、と。2023/06/05

キナコ

33
あまりの面白さに後半一気読み。700ページ越えの長篇ミステリー。人を食べるとの謂れがある大楠を中心として起こる連続殺人事件。死体の描写も生々しいため、グロさが苦手な人は注意が必要。殺人には予想のつかないことが起こるとはいうが…人によっては邪道になりそうな感じのトリックかな。最後の犯人の手記に書かれた運命に翻弄された犯人の心情が悲しすぎる。 御手洗シリーズの四番目らしいが、シリーズの途中からでも楽しめた。シリーズの他の巻も楽しみ!2023/12/16

Yuri

20
時系列で読めていないのでレオナさん、これが初登場なのかなーと感慨深い。ホラー感もある壮大なミステリー。トリックも予想外で楽しめました。2023/10/29

うーちゃん

20
「病院坂の首縊りの家」と混同されやすい作品第1位(私調べ)。ピカピカの改訂新版が出たということで15年振り位の再読。島田荘司作品自体久しく読んでなかったから、ああそうそう、この力技な感じ!と思わず笑みがこぼれました(笑)。"樹齢2千年の大楠が人を喰らう"という幻想怪奇的な雰囲気と、自由な思考でずばっと論理的帰結をしようとする御手洗の活躍、両方を楽しめる。真相に"偶然"の占める割合が大きかったのは残念だった(←案の定、力技でねじ伏せられる)。御手洗との出会いによる、松崎レオナの心の成長もみどころ。2021/04/26

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