内容説明
2021年3月11日は、東日本大震災から10年。この10年間、日本列島では地震だけではなく各地で多くの災害が頻発してきました。
2016年4月には熊本で震度7を最大とした群発地震が発生、九州や中国地方への集中豪雨、北海道では地震による地滑りと大停電が発生。さらには異常気象による巨大台風や土砂崩れ、洪水、河川の決壊、氾濫、浸水。冬季には北海道から北陸地方にかけて、異常な寒波や豪雪が襲いました。
そして地球規模で蔓延するコロナウイルスの感染など、日本列島はいま“複合災害の真っただ中。地震・津波・放射能汚染に襲われた東日本大震災のように「これでもか、これでもか」と、災害の上に災害が重なってきています。その原因について、温暖化による気候変動以上の“地球異変とも言うべき変化が起きているのではないか――と国民は肌で感じ始めたのです。
ツンドラ地帯の凍土が溶解し、北米やアマゾンの山林で火災が起き、アフリカの砂漠化などで生態系が崩れ、食糧不足と難民の流出が止まらず、世界秩序は不安定になる一方です。そして今、コロナ禍が世界中に蔓延しています。
この10年はまさに日本人が大規模災害に直面し続けた10年でした。本書は、日本を代表する49人の写真家たちが撮った「東日本大震災の記憶」と、その後の自然災害のリアルな姿を伝える写真集です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきあかね
20
今月から職場が変わって、引越もしたので、ようやく読書をする余裕が出てきたところ。次は防災関係の部署なので、関連する本を新しい住まいの近くの図書館から借りてきた。 津波に飲み込まれた妻の亡骸を抱く夫の慟哭、避難所でぬいぐるみを横に置いて眠る浪江町の子どもの哀切。本書は東日本大震災を中心に、多くの災害の写真を収めている。 平穏な日常を一瞬にして奪う災害の力の大きさ、おそろしさが直接的に伝わってくる。他方で、災害から立ち直る力を感じさせる写真も見られる。原発事故後、復活は困難と言われるも翌年に再開した⇒2023/07/17
大阪のきんちゃん2
8
仕事の関係で入手。 写真が無言で語りかける中身はとても重い。 悲しみ・無念さ・渇望…一枚一枚じっくり見て様々な思いが去来しました。 ただ、仕方のないことかもしれませんが、ちょっと政治的な意図が透けて見えてもったいない気がします。 沖縄の辺野古の写真のどこが災害列島なんでしょうか? 防災日本、減災日本、国民が一丸となって目指すものは何かをきっちりと見極めねばなりませんね。2021/10/19
オサム兄ぃ
8
日本の現状を「複合災害」と捉え、東日本大震災を起点にそれ以降に起きた災害を報じる写真が集められている。49人の写真家の眼を通すことで、テレビやネットでは一瞬で流れ去っていく現場が身近になり、人々の苦悩が他人事とは思えなくなる。明日は我が身かも知れないのだから。寄稿者は実に多彩。どれも印象深いが、大家が未曽有の災害を自身のスタイルに引き寄せて写し撮った作品が心に残った。例えば、大石芳野氏の被災者に寄り添うような作品。あるいは、風景写真の構図と光の描写の向こうに犠牲者への祈りを感じさせる細江英公氏。2021/04/12
R
1
忘れてないつもりだったけど、記憶薄れてるんだなって実感した。2023/03/28
kaz
1
7割がた東日本大震災関連で、他の災害もいくつか。思想的な背景が入るのはやむを得ない。図書館の内容紹介は『東日本大震災、鬼怒川決壊、御嶽山噴火、熊本地震、西日本豪雨、房総半島台風、コロナ禍…。3.11から10年、日本を代表する49人の写真家たちが、日本列島の各地で頻発した大災害を写真で伝える』。 2021/05/04
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