平凡社新書<br> 東電原発事故 10年で明らかになったこと

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平凡社新書
東電原発事故 10年で明らかになったこと

  • 著者名:添田孝史
  • 価格 ¥739(本体¥672)
  • 平凡社(2021/03発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784582859669

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内容説明

発生から十年、世界最悪レベルの原発事故の原因、被害、賠償の進展は。独自入手の事故調文書や裁判記録を元に描く事故の深層と現状。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

87
ウクライナ報道が溢れる中、今年の3.11は静かに過ぎていった。数少ない報道番組で見た双葉町の今。荒れ果てた自宅を前にした住民の表情が忘れられない。除染して住めるようになっても、11年前まで当たり前のように重ねてきた日々のくらしは戻りはしない。裁判の過程で明らかになってきたのは、あの事故はリスクを承知しつつ目先の利益を優先した結果だったということ。奪ったものの大きさと起こしたことの罪深さに蓋をして、原発再稼働は粛々と進みつつある。温暖化対策等で動かさざるを得ないなら、せめてあの事故に真摯に向き合ってほしい。2022/03/10

skunk_c

71
マスメディアの力は恐ろしい。事故当時「想定外」と言った東電幹部の言葉を今でも信じている人はかなりいるのではないか。本書はその「嘘」を完膚なきまでに明らかにする。著者も関わった国会事故調などでは分からなかったことが、訴訟の証拠から明らかになり、それをまとめる中で多くのことが見えてきたのだ。F1で10mを超える津波が襲う可能性があることは2002年には指摘され、女川、F2では対策をとったというのに、経営上の理由から最も脆弱なF1は対策を先延ばしにしたとのこと。経営トップはこのことを「知らなかった」と言うが。2021/11/27

ロビン

21
10年目の3.11を心に刻むため一読。元朝日新聞記者で今はフリーの科学ジャーナリストである著者が、原発事故発生当時から現在の状況までを批判的にまとめたもの。特に第2章「事故はなぜ防げなかったのか」では2002年から2011年までの東電の原発事故対策の動きを追い、保安院や東北電力、日本原電などが福島沖の津波の危険性を問題提起または対応工事をしていたにも関わらず東電は出費を厭って学者や地震本部に根回しや報告書の書き換えまでさせ意図的に先延ばしをしていたことが炙り出されている。「想定外」だから無罪とはおかしい。2021/03/11

Satoshi

13
忘れたかけているが、2011年3月に東日本に人が住めなくなるほどの重大事故が起きていた。そして、その災害は歴史的に予測されていた。津波による福島第一原発の事故であるが、東電の先送り体質、勝俣会長の無責任な発言には驚かされる。2022/07/23

くものすけ

10
東電・保安院の体質が完全に変わらない限り同じ問題が再度起ることの怖さを感じました。未曽有の原発事故発生当時は想定外の規模の天災の為と説明されていました。しかしながら、実際はかなりの精度で今回の大規模地震、津波の発生は予知されていました。無能な東電・保安院がその対応を先延ばしした為に未曽有の大事故を起こし、危うく東日本全体5000万人の住む家が無くなる程の危機をもたらした事が良く分かりました。本書を読む限り、火山、地震国日本に原発は不要と考えます!2024/01/13

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