内容説明
就労支援に寄せられる期待と疑念とが錯綜している。本書は、横浜市と豊中市の創意工夫と試行錯誤について詳述するとともに、その背後にある理念や矛盾・限界を浮き彫りにする。そして、「こんな働き方や支え方が広がれば、地域は喜びと活気に溢れるだろう」という、目指すべき新たな社会ビジョンを提示する。
目次
まえがき[本田由紀]
凡例
序章 「就労支援の意味」を問うことの意味[筒井美紀・長松奈美江・櫻井純理]
1 本書が言いたいこと・問いかけたいこと
2 就労困難者の就労支援のあり方をめぐる議論
3 調査対象の設定と本書の構成
第I部 国の政策と2市の概要
第1章 国の福祉政策・労働政策の変遷[福田志織・喜始照宣・長松奈美江]
1 福祉・労働政策における2つの潮流
2 公共職業訓練制度
3 生活保護受給者への就労支援政策
4 母子世帯の母に対する支援政策
5 若者に対する支援政策
6 対象者を限定しない支援へ
第2章 横浜市と豊中市の概要[御旅屋達・寺地幹人]
1 横浜市の概要
2 豊中市の概要
第II部 横浜市
第3章 横浜市の就労支援政策[御旅屋達・喜始照宣・堀有喜衣・筒井美紀]
1 横浜市の就労支援の概要
2 就労困難層への職業訓練――横浜市中央職業訓練校
3 生活保護受給者の就労支援
4 「就労支援は基礎自治体の仕事である」
第4章 就労支援の委託にともなう課題――人材企業を事例として[筒井美紀]
1 人材ビジネスに着眼する理由
2 事業はどのように受託され運営されているか
3 現場支援者の供給源と採用後の訓練
4 事業受託側の困難と課題―自治体との関係で
5 就労支援諸機関の育成と現場支援者の雇用安定を
第5章 協同労働団体の連携による就労困難な若者の支援――「くらしのサポートプロジェクト」の挑戦[本田由紀]
1 協同労働による就労支援を問うことの意味
2 「くらしのサポートプロジェクト」の枠組み
3 「くらしのサポートプロジェクト」の受講生像
4 「くらしのサポートプロジェクト」の成果(1)―受講生の変化
5 「くらしのサポートプロジェクト」の成果(2)―実施団体の変化
6 「くらしのサポートプロジェクト」からの示唆
第III部 豊中市
第6章 豊中市における就労支援政策の概要[櫻井純理]
1 事業を担当するスタッフと予算
2 雇用・労働関連事業の対象と内容
3 ハブとして機能する雇用労働課
第7章 就労支援の「出口」をめぐる模索――中小企業支援の視点[櫻井純理]
1 無料職業紹介所とTPSによる出口開拓
2 地域の中小企業への働きかけ
3 事業者側の受け止め方
4 豊中市の就労支援政策の魅力,そして残された課題
第8章 連携によってつながる支援の輪――豊中市における生活保護受給者への就労支援[長松奈美江]
1 生活保護受給者への就労支援をめぐる問題
2 豊中市における生活保護受給者への就労支援
3 福祉事務所と地域就労支援センターによる連携の成果
4 生活保護受給者への効果的な就労支援へ向けて
第9章 リビング・ウェイジを生みだす飲食店――地域が育む自営業による女性の就労[仲修平]
1 就労支援と雇用創出を問う意味
2 豊中市における女性の就労支援事業
3 当事者たちにとっての飲食店
4 就労支援政策の理念と地域の自営業
第10章 ポスト日本型福祉社会における就労支援――豊中市地域雇用創造協議会の取り組みを事例として[阿部真大]
1 新しい就労支援の誕生
2 ポスト日本型福祉社会における変化
3 労働供給側へのテコ入れ―地域雇用創造推進事業
ほか
感想・レビュー
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