内容説明
コメニウスは、世界初の子ども向け絵入り教科書、『世界図絵』を編纂した。彼の思考を辿ると、「学校」や「教科書」はいかなる意味において「教育」を成り立たせているのか、という問いに行き着く。コメニウスの教育思想を参照することは、我々が自明とする、現実の教育に関する捉え方を相対化し、省察を深める際に今なお有効である。
目次
はしがき
序章 17世紀における言語と世界伝達 -コメニウスの位置づけをめぐって-
第1節 コメニウスの課題
第2節 コメニウス研究の現在
第3節 本書の課題と方法
第I部 コメニウスにおける文字 -事物主義の内実とは何か-
問題設定:近代教育学におけるコメニウスの位置づけから
第1章 17世紀普遍言語構想におけるコメニウスの位置づけ
はじめに
第1節 17世紀普遍言語構想とは何か -ロイヤル・ソサエティとコメニウスにおける言語改革への関心
第2節 言語学における「前近代」、教育学における「近代」 -コメニウスの二つの位置づけ
第3節 17世紀的な「言葉と事物の乖離」、「視覚の強調」の文脈から
結びに代えて
第2章 17世紀普遍言語構想における事物・観念・言葉
はじめに
第1節 コメニウスにおける普遍言語像
第2節 コメニウスの普遍言語像を規定する事物認識
第3節 ウィルキンズにおける普遍言語作成の原理 -観念に基づく分類表
結びに代えて
第3章 事物が視覚化された図絵・観念が視覚化された文字 -世界像の二つの伝達形式-
はじめに
第1節 普遍言語としての図絵 -コメニウスと『世界図絵』
第2節 観念の視覚化としての普遍言語 -ウィルキンスにおける実在的概念文字と哲学的言語
第3節 図絵と文字 -二つの秩序
結びに代えて
第II部 コメニウスにおける声 -事物主義を超えるもの-
問題設定:17世紀における言語観の変容・修辞学の再編の中で
第4章 コメニウスにおける「声」と「視覚」 -『遊戯学校』の位置づけをめぐって-
はじめに
第1節 『遊戯学校』というテクスト
第2節 『遊戯学校』の特徴
結びに代えて
第5章 『遊戯学校』における世界構造 -学校と世界の同型性-
はじめに
第1節 『遊戯学校』が書かれた背景
第2節 『遊戯学校』における世界の構図 -事物・人間・宗教
第3節 『遊戯学校』における学校の機能
結びに代えて
第6章 コメニウスにおける世界の表象と教育的提示 -図絵・修辞・身体-
はじめに
第1節 『世界図絵』と『遊戯学校』における世界提示 -事物の諸相
第2節 『世界図絵』における書物という様式
第3節 『遊戯学校』における学校演劇という様式
結びに代えて
第III部 コメニウスにおける書物 -教育を成立させるもの-
問題設定:コメニウスにおいて教育を成立させるものとしての書物
第7章 コメニウスにおける読書論の諸様相 -「書物について」から-
はじめに
第1節 コメニウスの読書論の位置づけをめぐって -中世・ルネサンスにおける書物と教育
第2節 コメニウスによる「書物」の位置づけ
第3節 読むこと、選択すること、書くこと
第4節 あなたの書物
第5節 「何を」読むのか
結びに代えて
第8章 『汎教育』における書物執筆の法則 -神の三書とその手引き書としての教科書-
はじめに
第1節 『汎教育』における学校・書物・教育者の位置づけ
第2節 汎書籍論 -神の三書とその手引き書としての教科書
第3節 書物の氾濫に抗して -執筆の個別的法則と普遍的書物
結びに代えて
ほか
感想・レビュー
-
- 電子書籍
- 秘密のバーでひとときを~カクテルで語る…
-
- 電子書籍
- アシカ日和
-
- 電子書籍
- 1人でできるスポーツマッサージ&ストレ…
-
- 電子書籍
- 新編 電燈電熱
-
- 電子書籍
- 恋人たちの場所(2) フラワーコミックス