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内容説明
人間誰しも、嫉妬からは逃れられない。松下幸之助が「嫉妬心は狐色に程よく妬かなければならない」と述べたように、その存在を認めていかに飼い馴らすか、そして他人からの嫉妬をどのように避けるかが肝要である。歴史上の人物から現代各界まで豊富な事例を紹介し、日本社会で生き抜く術を説いた名著、ここに復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
谷沢さんがこのような本を書いていたことを初めて知りました。数多い御本を読んでいるからこそ様々な嫉妬の形態を紹介してくれているのではないかと思います。最初に松下幸之助翁の言葉がありこの嫉妬がないと社会は進歩を遂げないのではといわれていて、最後にも嫉妬の効用があり参考になりました。2021/06/24
すうさん
7
面白く読んだが、事実なのだか小説の中の話なのか混合して不思議な論調である。嫉妬に関しては人間の感情の中では最も強いもので、日本人の歴史はほとんどそれに裏打ちされているという論評は行き過ぎだと思う。嫉妬とは複雑な感情ゆえの反行動だと思うが、全ての裏切りがそうだとは思えない。しかも嫉妬の感情を抑えるのは「謙虚であれ」などと簡単に一括していたのは笑えた。世界中の大きな事件を嫉妬が原因だと語るのに、その答えは簡単すぎる。嫉妬の正体は人間のもと複雑な感情(自分愛の裏返し)とその不合理な行動によるものじゃないかなあ。2021/03/19
ふたば@気合いは、心を込めて準備中
5
人間は嫉妬から逃れられないのだという。それは、たとえ名を成した人物であったとしてもだ。内容的には、それは嫉妬、と言う感情ではないのでは。。?と思うケースもあったり、嫉妬とは関係のなさそうな話もあったりと、けっこう楽しみがら読めた。自分は、コンプレックスの強い人間であるから、どうしても他者との比較で、負の念を持つことも多い。嫉妬深い人間であるという事か。嫉妬に駆られてみっともない行動はしたくないが、嫉妬との感情は、上手く使えば自分を向上させる原動力ともなるようだ。上手く付き合っていきたいものだ。2020/12/26
ワンモアニードユー
4
松下幸之助の「嫉妬は程よく狐色に焼く」がどれほど深い言葉だろう。自身の嫉妬心に悩む心を少し救った。古い本だが、日本人の嫉妬の正体を実例を交えて喝破し、しかしそれを活かすにはどうすればよいかという、毒を薬とする手法も提示。いい本だが、2章程度余分だと思う。意図はあるのだろうが辟易する。2023/08/16
いのふみ
3
アカデミズムや文学界、歴史、宗教界のエグい嫉妬の有り様をみていると、己の嫉妬が矮小なものだと相対化されてくるようでもあるし、嫉妬はどこから出てきてもおかしくはないものだとも思えるし、人の世に根本的に存在するもので、気に留める必要もないものだとも思える。2021/07/27