内容説明
地元青森の怪談家が蒐集した本州最果ての実話怪談!
「咳が止まらない…」
津軽の霊場・賽の河原で
二人の母を同時に襲った異変とは…「賽の河原」より
十和田湖畔のキャンプ場の怪
津軽霊場を歩く子供達の霊
RAB青森放送のブースで録られた異音
馬の蹄の音がする中町こみせ通り
岩木山神社の山の神
死者が呼ぶ入前崎の断崖絶壁
こいはまいねまいね(これはダメだダメだ)…。
弘前市を中心に活動する怪談家たちが蒐集した地元青森の本当にあった怖い話。
・授業中、突然何かに憑かれたように暴れ出し教室から脱走した少女。見つかった場所は…「女生徒」
・釣りに行くはずが、気づくと遊歩道を外れ林の中を彷徨っている。何に呼ばれて…「呼ばれ、止められ」
・夢に現れた十一面観音。願いを述べてみよと言われた矢先、息子が事故に遭う。母が答えていた内容は…「ねがい」
その他、伝染病の隔離病棟のあった総合病院に纏わる怪異を著者二人が証言する「隔離病棟二話」、殺人事件の現場跡地に生家があった著者が幼少期の怪奇的記憶を綴る弘前の随筆など、全38話収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
58
実話怪談集。どの話も青森を思わせるのは方言だけで、話の内容としては全国平均というか全国どこでも聞ける話が多いように感じられた。青森というとやはり思い出すのは恐山であるとか仏ヶ浦、野辺地の魔の踏切というスポットを連想するが、本書ではほぼ具体的な土地には触れられず。そういう物には頼らないという話者の矜持なのかもしれないが、こちらとしては地霊を感じたいと思う事もしばしば。例外は「怪談随筆」シリーズで怪談は背景として退き、筆者の育った津軽の地がノスタルジアと共に書き出され、土地の息吹みたいなのも感じられたかな。2021/03/23
坂城 弥生
46
「積ん読」「ねがい」が特に印象的でした。2021/05/03
あたびー
42
弘前へ帰る友達におっつけてやろうかと読んだ😁津軽弁で綴られる実話怪談は中々善いものです。もっと津軽弁があっても良いくらいでしたが、そうなるとルビが増えて大変ね。同じ場所(旧隔離病棟)でたくさんの人が別々に体験した怪異は流石に迫力があります。祖母を恨む死霊に苛まれ続ける母娘のその後はどうなったのでしょうか。気になります。「この本あげようか?」と明日言ったらきっと「怖いからいらない!」と拒否られるんだろうな。2023/06/03
雨
30
青森、特に弘前の怪談。怖くはないなぁ。2021/05/23
かおりんご
29
ホラー。青森に特化した怪異譚。恐山のようなそのものズバリな場所ではなく、地元にある廃病院や廃ホテルといったところの話なのが、新鮮で面白い。ちょいちょい挟まれる津軽弁もいい。青森に行った気分も味わえる一冊。2021/04/25