内容説明
「入って入って…」
九州の廃病院の地下で
迷い込んだ奇妙な世界。
自ら幽霊と名乗る男女二人に
誘われた先は…
「廃病院」より
死ぬ・消える・終わるの果て。
絶望の底を覗く終末怪談!
「草」シリーズ最凶の最終巻。
怪異の関係者が「死ぬ」か「消える」。もしくは人として「終わる」。そんな最凶の障り話のみを集めた実話怪談集。
・自殺した彼女の遺品にあった絵葉書。「○○が迎えにきたから行きます」と書かれたそれは半年前に自死した己の母の筆跡で…「パーカー」
・もみの木に赤子を捧げよ…夢のお告げで家業繁栄のため根元に人柱を埋めたという庭の大木。粗末に扱うと…「もみの木」
・バイク仲間数人に贈った愛車そっくりの手製プラモデル。だが、貰った者が事故死する連鎖が…「続いている」
・古屋を購入した同僚を襲う異変。家を訪うと、部屋の四方の壁にお辞儀をしろと言われ…「禍跡」
…他、闇の全26話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
61
「死ぬ」「消える」あるいは「終わる」で結末を迎える、所謂バッドエンドの誘惑。不幸話が聞きたい訳ではない。不幸の回避術が学べる訳でもない。ここに収められている数々のバッドエンドが本当に実話ベースならば、深淵はあちこちにある事になる。物語としてのスタンスがなかなか絶妙で巧み。クソ野郎な樺山を巡る呪い『淡水パール』や設計士の先生が登場する『大掃除』など平山夢明さんに近い感覚。物語としての面白さは別格かも。『肉丸』の破滅の予兆。世界の改変(もちろん悪い意味で)は訪れるのか。草シリーズ最終巻、遡って読みたい。2023/03/15
坂城 弥生
54
吐き気というか得体の知れない悪意や恐怖の強い話しが多かった。2021/04/13
あたびー
44
久しぶりの実話怪談ですが、ドヨンと重い(褒めてる)のを読んでしまいました😅「ある設計士の忌録」シリーズに、「先生」の漫画化されていないエピソードがこの本に入っているよと書いてあったので読んでみましたが、冒頭筆者が注意喚起しているように、かなり危険な話しか載ってません。そして、「先生」の話以外にも建築関係物件関係の話が多くて、中古物件に何事もなく住まっている自分がラッキーと思えるくらいです😅2023/02/16
うなぎ
21
急に怖い本読みたくなって買った。大好きなホラー漫画ある建築士シリーズで、解決してないから漫画化出来ないけど文章なら大丈夫とあった「大掃除」目当て。こりゃとんでもない凶悪なの出しちゃったのね。下手したら建築士漫画の「疫神」レベルじゃないんか。他の話もどの話も呆けた中途半端な話がなくて面白いなぁーと思いながら読んだけど、読み終わった昨日の夜に読むんじゃなかったぁ!と、小さな音にいちいち跳ね上がる自分に後悔したり。パーカー、肉丸、オレンジゴリラ、廃病院あたり怖かったなぁ。2023/05/17
ぐりとぐら
15
実話怪談ならではの、謎めいた不気味な話が多かった。「肉丸」「二本取り」「廃病院」など、特に印象に残っている。怖いのもそうなんだけど、連れていかれるとか、持っていかれるっていう話は、得体の知れないものに遭遇する話より、嫌な怖さがある。後半は特にそういった話が多いので、休み休み読んだ。一気に読むと不気味すぎた。若干、文章の面で話者がわかりづらい部分などが見受けられたが、実話怪談の質は高かったと思う。タイトルにあっている。他のシリーズも読んでみようかなと思わせる。2022/07/01