書誌学入門ノベル! 書医あづさの手控〈クロニクル〉

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書誌学入門ノベル! 書医あづさの手控〈クロニクル〉

  • 著者名:白戸満喜子/芳井アキ
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 文学通信(2021/02発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909658418

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内容説明

代々続く書医(書籍のお医者さん)の家に生まれたあづさは、早世した兄・葵に代わり、家業を継ぐことを決意する。しかし書籍について知識のなかったあづさは、見ただけで紙の原料がわかるふしぎな力を持った双子の妹・さくらとともに、修行に邁進してゆく――。
青春小説であり、書誌学入門でもあるという、本邦初の「書誌学入門」ノベル!
書誌学が小説という器にのり、その学問は自由に羽ばたき、猛烈な興味をかき立てるものに変貌します! 圧倒的な書物への愛が溢れ出した、いままでになかった本です。
付録として「浅利先生の書誌学講座」(全10講)を完備。書誌学の基礎もわかります。人に話したくなる小ネタも満載。本を愛する全ての人に、必携の書です。
イラストは『国宝のお医者さん』(KADOKAWA)の芳井アキ。
推薦=延広真治(東京大学名誉教授)、大場利康(某大規模図書館員)、纐纈くり(大屋書房)。
中学生から一般の方までお読みいただけます!

目次

※この物語は、書誌学という学問の知識をベースに紡がれています。書誌学がどのような学問か知りたい方は、巻末付録「浅利先生の書誌学講座」を一読してから、物語をお読みください。なお、「書医」という職業は架空のものです。

登場人物チャート

I 東京編

其の一 虹色の本
其の二 遺されしもの
其の三 謎解き
其の四 漂泊の漢籍
其の五 通り雨
其の六 受け継ぐもの
其の七 塞翁が馬
其の八 書医の血
其の九 熱に浮かされて
其の十 時空をこえて
其の十一 カナダからの手紙
其の十二 異邦の書
其の十三 縁は奇なもの
其の十四 いざ京都

II 京都編

其の一 はじめの一歩
其の二 魅せられて
其の三 助け舟
其の四 お世話係
其の五 書医の手
其の六 消息
其の七 配合の妙
其の八 血脈
其の九 その瞬間
其の十 決意
其の十一 邂逅遭遇
其の十二 父、帰る
其の十三 本と虫
其の十四 つなぐ人
其の十五 それぞれの天命
其の十六 渡りに舟
其の十七 一人旅

【付録】
浅利先生の書誌学講座

第1講 書誌学は本の考古学!?(by林望氏)
第2講 漢籍と目録学
第3講 和古書の装訂
第4講 和古書の書型
第5講 版本の部分名称
第6講 紙以前の書写材料と紙の登場
第7講 紙の普及と印刷技術の伝播
第8講 日本の印刷・出版史
第9講 古書の取り扱い方と保存・修復
第10講 日本の書誌学研究の広がり

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ででんでん

86
「書誌情報は目の前にある現物、つまりその書物に関する情報を、文字だけでどこまで正確に伝えられるかが肝要とされています。見たり触ったりしていない人に、まるで見えたり触ったりしているかのように伝える、という表現力が必要になる」改めて腑に落ちる。その蓄積であるのがデータベース。付録の書誌学講座で、何となくあいまいに知っていた本の成り立ちや構造について、裏打ちされ得心する部分がかなりあって勉強になった。「教えられねえってのは、とどのつまり知らねぇってこと、頭ん中に入ってねぇってことっすよ。」漢字が難しかった…2021/07/15

へくとぱすかる

63
書誌学という言葉をまちがって理解していた。てっきり近現代の活字本の歴史的な話かと。「江戸時代以前の書物の研究」とのことで、和紙の素材や蔵書印、かがり糸の知識などなど。和紙とでんぷんのりを使って、こわれそうな現代の古本を修理したことがあるが、作中にでてくる「書医」は、そんなレベルをはるかに超えて、書物に関してもっとも専門的な領域を描いている。入門ノベルだけあって小説としては展開がものすごく速く、もっとゆったり読めるとありがたい。「ビブリア」や「京都三条のホームズ」のような雰囲気であり、シリーズ化してほしい。2022/01/19

よっち

39
代々続く書医の家に生まれて、早世した兄・葵に代わって家業を継ぐことを決意したあづさが、見ただけで紙の原料がわかる不思議な力を持った双子の妹・さくらとともに、修行に邁進する青春小説。書誌学も学べる入門書的ノベライズで、祖父の後を継ぐべく双子の妹とともに姉妹で古書の違いや特徴を学びつつ、カナダからの留学生を受け入れたり、京都に修行に行ったり、亡き母縁の紙の研究者や久しぶりに父と再会してゆく展開は、解説もわかりやすくていろいろなるほどなと思う部分がたくさんありました。巻末についている書誌学講座も良かったですね。2021/02/24

禿童子

37
一般向けの書誌学の紹介者としては林望という先蹤もあるが、若手の研究者が後に続いているのは心強い。がんぴ・こうぞ・みつまた、といった和紙の原料植物の知識から、中国では竹から造られた竹紙があるなど、紙に重点を置いて書誌学のABCに自然に導かれるように書かれたラノベ。中国、韓国、日本で本の綴じ方にも特徴がある。青少年向けに書かれた本としては漢字が多いので読み進めるのは楽ではないけど、純粋な研究者が書きおろしたラノベとしては良く出来ている。本の内容に踏み込んだ書誌学ノベルの続編を読んでみたくもある。2021/05/03

キリル

19
モノとしての本を取り上げた、ノベル形式で学ぶ書誌学の入門書。結構ハイペースで物語の舞台がころころ変わるのでちょっと苦労しましたが、書医になるため修行に邁進するあずさ・さくらの双子姉妹を通して紙の種類や装丁について楽しく学ぶことができますした。巻末には本文の内容を詳しく解説した書誌学講座もあるので、全く知らないという人もこちらから読めば本文を楽しめるように工夫されているのもよいと思います。古書の修繕とかやらないのでかつて学んだ知識もうろ覚えでしたが、そういえば講義で出てきたなぁと懐かしい気持ちで読めました。2021/03/20

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