内容説明
生涯に一度、私の演劇観を具体的に述べ、一冊にまとめておきたい――。演劇人、シェイクスピアの翻訳者としての旺盛な著作活動の中から戯曲論、翻訳論、演出論、演技論等を自ら厳選。待望された著者唯一の入門書であると同時に演劇理論家としてのエッセンスを提示する。全集未収録の単行本版に「醒めて踊れ」を増補した決定版。 〈解説〉福田 逸
■目次
Ⅰ
劇と生活/演劇の特質/劇場への招待
Ⅱ
戯曲読法/ことばの二重性/シェイクスピア劇のせりふ
Ⅲ
演技論
Ⅳ
演出論/シェイクスピア劇の演出
Ⅴ
日本新劇史概観
*
醒めて踊れ
あとがき
解説 演劇理論家としての福田恆存 福田逸
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒澤ペンギン
10
福田恆存4冊目? 演劇に留まらないセリフ論が面白い。意識的になればなるほどセリフと話し手の距離は離れるとあった。言葉を尽くして説明しようとするほど心から離れることは往々にしてある。劇でわざとらしいセリフまわしが気持ち悪く感じるのもこのセリフと話し手の距離が意識と合ってないからかもしれない。あと、ことばに論理と心理の側面があるとすることばの二重性も興味深い。おそらく人と話す時に気を付けている人は、小説や戯曲を読む時にも意識できるのだと思う。 演劇や戯曲を見てからまた読みたい。2022/08/07
Hiro
2
思えば私は演劇に疎い。しかし本書をふと読んで、この未知の世界を少しでも知りたくなった。そのくらい本書は刺激的で示唆に富む。論旨について行けず闇雲に読み飛ばしたところもかなりあったけれど。著者は演劇もまた戯曲という文学に基づくものだという信念を持ち、言葉、せりふの力を最も重んじる。そして言葉の使い手である俳優には言葉を使いこなす意識の力と、自分の扮する役柄の、戯曲の中での立ち位置を熟知することを求める。そして趣向やスペクタクルや演出に安易に頼らないことを。かくして言葉を巡る演技論は人間と言葉、文明論に至る。2022/05/25
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