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内容説明
栄西、法然、親鸞、道元、日蓮、一遍。現代まで続く一大宗派を築いた鎌倉新仏教の宗祖たちだが、あまりに独創的なその教えは、当時の社会常識を覆し、体制側から異端視された。伝統の枠組みを逸脱し、自分の心に偽らず、仏教と真摯に向かい合う――多様化した仏教を坐禅・念仏・信心・唱題の一行に統合する「専修」に焦点を当て、そこに込められた彼らの思いに注目。数々の法難を経験してなお深化していった「異端」の思想に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
11
我が国外からは、時には仏教と見なされぬ、鎌倉期に成立した宗派。その祖師栄西、道元、法然、親鸞、日蓮及び一遍について、彼らの異端の教説を取り上げる。異端とは冒頭述べられるようにポピュリズムの反逆とは真反対。正当たらんとして言挙げする思想・行動である。そしてその挙に及んだ祖師方の思想について、本書は要領よく述べ、やや難解乍ら何とか理解し得る。律を重んじ教学と実践により到達する境地を、坐禅・念仏・信心・唱題の一行に専修する事で時代の不安に慄く大衆を教化せんと図った試みとその理論的合理化。中では一遍に心惹かれる。2023/03/12
ア
4
伝統仏教=正統から異端とされた鎌倉仏教を、「専修」という視点から論じる。(栄西はこの枠組みにイマイチ当てはまらないが)道元・法然・親鸞・日蓮・一遍が仏教全体、ブッダの教えを何らかの行(専修)に集約したという切り口に説得力を感じた。2023/11/12
アンパッサン
4
知らぬ間に平岡聡の本二冊目。仏教は、後発であるほど先輩方の思索を奪いとるような法論が出せる(法華経バンザイは変わらぬが)ので、日蓮だけが全部どりで、お得で、嫌だなあ(そういいながら日蓮、結構読んでる)と思っていたら、それすら凌駕、いや内包する、しかも他宗を貶めたりしない一遍という存在をこの本で知って、「すげえ」しか出てこない。信じていようがいまいが念誦札を配る、踊りという身体性をともなった念者一遍。次は彼に目を向けようと思う。仏教はこうだ云々よりも、彼らが「これでいい!」って定義していく過程が刺さります。2022/12/29
ぬけにんよーこ
1
サンプルで読める序章の部分だけでもためになります。それぞれの僧侶がそれぞれの教えを生み出してく過程がとても面白い。
やご
1
いわゆる鎌倉新仏教諸派について、特に「専修」(読みはセンジュ・他の修行法を排し、一つの修行法のみを選択すること)に注目して解説したもの。まずは専修の意義から入り、先行する平安仏教の代表者である最澄と空海の思想に触れ、続いて栄西(臨済宗)、道元(曹洞宗)、法然(浄土宗)、親鸞(浄土真宗)、日蓮(法華宗)、一遍(時宗)を紹介していきます。 著者は仏教研究者であり、浄土宗の僧侶でもあります。 (続く)→ https://gok.0j0.jp/nissi/1182.htm2021/07/03
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