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内容説明
1年生のときからずーっと通知表に「できる」とだけ書かれてフツーなことにコンプレックスを感じている朝陽(あさひ)も、「よくできる」がいっぱいの優等生の叶希(とき)も、体育以外は「もうすこし」ばっかりの大河(たいが)も、みーんな心の中では思っている。
「通知表なんて、ただの紙切れじゃん。あんなので、ぼくらの何がわかるの?」
「通知表があるから、よけいにやる気がなくなるんだ」
「あたしだって、通知表なんて、いらない!」
たしかに、そうだ。思えば通知表って何であるんだろ? あれを見たって、どこをどう直せば成績が上がるのかなんてわからないじゃないか!
そういえば朝陽のお父さんが言っていた。会社では、部下が上司の成績をつけることがあるんだって。
「ねえ、先生の通知表をつけようよ」
朝陽の一言から、クラス一丸となって担任のハシケン先生の通知表作りが始まった。でも、人に成績をつけるって、こんなに難しいことだったのか!?
目次
1 ぼくの通知表
2 「ふつう」の証明書
3 通知表をつけよう!
4 体育の時間
5 相対評価と絶対評価
6 十才のゆめ発表会
7 ハシケン先生の反乱
8 通知表のない学校
9 大久保先生にインタビュー
10 先生の観察
11 ぼくの夢
12 通知表、発表します!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
76
児童書。YA。4年生の3学期の始業式の朝、朝陽(あさひ)たちは2学期終わりにもらった通知表の話をした。大河は「もう少し」が多かったのでお年玉が減らされたと文句を言う。優等生の叶希(とき)も通知表なんて大嫌いだという。1年生から今までの通知表が全て、三段階評価の真ん中だった朝陽は自分が「ふつう」でそれ以上でもそれ以下でもない面白くない人間だと言われているようで嫌だった。通知表や評価について調べた朝陽たちは、「先生の通知表」をつけることにする▽通知表で一喜一憂することってあると思う。大人には耳痛だけど良本。2022/06/03
chiaki
46
「オレたちの運命は通知表に左右される」「通知表なんていらない」「通知表なんてただの紙切れ。あんなので、ぼくらの何がわかるの?」先生から一方的に渡される通知表に疑問を持つ朝陽、大河、叶希は、生徒からも先生に通知表を付けようと学級会で提案する。でもいざ評価を付けようとすると思わぬ壁にぶち当たり…。通知表の在り方について考えさせられる!当たり前とされてきたことをただ受け入れるのではなく疑問に思うこと、No!と言える勇気、教育現場の風を入れ替えるのに必要だよね!ハシケン先生みたいな先生が増えてほしいです。2021/07/12
あやっぴ
34
タイトルと装丁の可愛さに惹かれ、図書館で借りました。よくできる、できる、もう少し…味気なくてわかりづらい通知表の評価。不満に思う生徒たちの手にかかると、こうも面白いものに変わるんだなぁーとその発想力に脱帽です。生徒たちの数だけアイデアも生まれ、先生もだけどこのクラスの素晴らしいチームワークを感じました。2021/09/15
信兵衛
21
通知表で大切なことは何なのか、その大切なことを果たすためにはどうしたらいいのか、子どもたちがそのことに気づき、そして行動するところが素晴らしい。 最後は、感動で胸がいっぱいになりました。2024/03/17
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
21
今日から夏休みなんだよなぁ、昨日は通知表もらっているんだなぁ、などと思いながら読みました。あらっ子どもたちが先生に通知表つけるおはなし?これは面白そう!とあっという間に読んでしまいました。4年3組全員でハシケン先生こと橋本健太先生の通知表をつけることに!最後に通知表が載っていますが、「ぜーったいにひいきしない。」なんて子ども心をとてもわかっているし、「おかわりにムキにならない。」なんてユーモアあるなぁ、と思いました。工藤純子さんは本当は現役の小学生なんじゃないの?と疑う位子ども心をわかっている作家さんだわ2021/07/22