内容説明
「天照大神の天岩屋戸隠れ」「素戔嗚尊八岐大蛇退治」「出雲の国譲り」「天孫降臨」「海幸山幸」……。
多くの方が耳にしたことがある日本神話のタイトルである。
『日本書紀』は、神武天皇が初代天皇として即位される前の日本についても書き記している。
天地開闢以来のさまざまな出来事であり、いろいろな個性(神性)を持った多くの神々が登場する。
これらの神話はすべて創作であるとされてきた。
だが、本当にすべてが架空の物語なのだろうか。
本書は、神代の物語にも何か下敷きとなる出来事があった。
さもなければ、これほど具体的で生き生きとした物語を紡ぐことはできない、と考える著者が、神代の真実の系譜を復元し、初代天皇の即位=ヤマト王権の誕生以前の日本で何が起きていたのかを解き明かす、意欲的で刺激的な一冊である。
発行:ワニ・プラス
発売:ワニブックス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かつおさん
19
古代史初心者の身としては驚く話。事代主神が、日本書紀編纂者たちが残した歴史の真実を解き明かす鍵だったとは… 大和政権を建てたのが神武天皇=彦火火出見だったというのは、かなり一般的な解釈になりつつあるのかな⁈ 邪馬台国と高天原の関係、天照大神の卑弥呼説、彦火火出見・神武天皇・崇神天皇同一人物説、等々 神話を歴史に投射するための大胆な仮説が面白い。古代史って未だ未だ想像の世界なんだなぁ…と思った。だから、面白いのかも。2020/12/11
Micky
2
正史は時の権力者の意向や対外的な力の誇示など史実以外の要素が否応なく絡んでくる。その圧力をかい潜り正しい歴史の伏線を張る。八世紀初頭の日本書紀の編者は事代主命(事を知る命)その役割を託した。 筆者は神代を解釈する謎は記紀に隠されているという信念で解きほぐしていく。 特に出雲とスサノオノ命、欠史八代はなぜ作られたか、などは興味深い。 と言ったところだけれどやっぱり古代史はよくわからん。いずれにせよ正解は無いのだけれどロマンに満ちている。2021/12/09
にゃあ
2
とあるシリーズ物を読んでるうちに、日本書紀と古事記が気になって手に取った本のひとつ。『古代神話=創作ファンタジー』と勝手に思い込んでいたけど、作り話を書くにしても何か基本となる出来事、モデルとなる人物があって然るべき。筆者もその視点で読み解いている。系譜が事細かに挿入され「つながり」が見えてくるのは面白かった。でもやはり行間を想像で補う作業が入る分、ノンフィクションなのかフィクションなのか、その境目を見極めるためにはもっと深い知識が要る。…いや、そこまで深く入り込まなくてもいいかな(苦笑2020/12/25
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